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    Fuca2Fuca2

    @Fuca2Fuca2

    筆が速いのが取り柄です、Twitterで書いたものをここに入れます。
    責任ある大人しか見ちゃダメなものもぶち込みます。(ちゃんとR表示します)
    書いてる人は、品性下劣かつ下品で助兵衛です。
    だから、そんな作品しかありません。
    ※シモの話は♡喘ぎデフォです。
    最近拠点を支部に移したので、ここは跡地のようなものです。

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    Fuca2Fuca2

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    ドゥとYou

    ドゥを洗ってあげる話です。
    彼の本体の描写が多いです。

    Take a bath「流石にダメよ。シャワーを浴びなさい、ドゥ。」
    ドゥが帰宅するなり、Youは眉を顰めた。
    「え、…、あっ…、なんだって?」
    「シャワーを浴びて。…流石に酷すぎるわ。」
    彼女が流石に酷すぎると評するのは、ドゥの髪の毛だった。

    時折彼は、Youが知らない内に色々な場所、で何かしら彼女に言えない事をしているらしい。
    その中のひとつは、おそらく廃墟の探索だ。
    彼のフェイクボディーを維持する為には、一般的な人間が口にするのを憚る様な部類の"食べ物"を必要とするらしく、ドゥはそれを求めに古い廃墟や、薄暗い路地裏に探索に出かける。
    …ことがあるらしい。
    (Youが知っている範囲のドゥの"食べ物"は、動物の骨、コンクリート、ガラス、その他諸々…。らしい。)
    (らしい、というのも、普段の主食を列挙する中で、段々と険しくなるYouの顔に、最終的にドゥが口を噤んだからで、彼女はこれ以上のことを知らない。)

    おそらく今回も、フェイクボディー作りの一環でどこかに"食事"に出ていた様だが、その髪の毛が埃やら何やらで酷い事になっていた。
    彼が近づいてきた途端、黴臭い酸っぱい臭いがYouの鼻を突き刺し、よく見れば髪の毛のあちらこちらが小枝や、ペンキのカスの様なもので酷く絡まっている。
    「で、でもこの身体は水に弱くて。」
    「知ってる。……あなたの本体が髪の毛の塊だってことも知ってるし、その本体は水に溶けないことも知ってる。」
    「う、……、で、でも。」
    「……だめ、あまりにも汚い。」
    「そ、そんなぁ…。これでも一応、毛繕いしてきて…。」
    「毛繕いしてそれなら尚更。…ちゃんとシャンプーで洗って来て。」
    泣けもしないのに目を潤ませるドゥに、罪悪感を感じながらもYouは首を横に振る。
    両者一歩も引かず玄関で繰り広げる押し問答に、Youはため息をついた。
    「……今日から、一緒に寝ないから。」
    Youの切り札に、ドゥは為す術なく肩をがっくりと落とした。

    ガチャン、とやる気のない落下音が響いて、Youの足元に黒い毛玉が現れる。
    「Prrr……。」
    どことなく不満げに見える毛玉を軽くあしらいながら、Youは玄関のカギを閉める。
    「ハイハイ、偉いわねドゥ。…ちゃんとシャワーを浴びたら、何かご褒美をあげるから。…ね?」
    彼女はしゃがんで、ポンポンと軽く毛玉を撫でた。
    そのままリビングに向かおうとするYouの足首に、黒い毛が纏わりつき彼女を引き留める。
    「…ん?」
    「…。」
    毛玉になったドゥは何も言わないが、じっとYouの顔を見上げている。
    その眼差しは、期待する様にも、何かを強請っているようにも感じた。
    「……わかった、一緒にバスルームまで行きましょう?」
    「Prr」
    Youの提案は、ドゥのお気に召したらしい。
    きっと普段の彼なら、「そう来なくっちゃ大好きだよ、You」なんて言いながら鼻歌を歌うのだろう。
    (行く先は、結局バスルームな訳だが…。)
    彼を抱き抱えようとYouが手を伸ばすが、意外にもずっしりと重い。
    「…重い。」
    「Prrr……。」
    「ごめん、抱き上げるのは無理。……手を繋ぎましょう?」
    「…Prr、」
    まるで、「しょうがないね、」とがっかり気落ちした様子の毛玉から、するすると長い髪の束が一筋伸ばされる。
    その毛先を手に取り、Youはまるで手を繋ぐように(どちらかと言えば、犬の散歩だが)して、バスルームに向かった。

    Youはキャビネットから取り出したブラシに、ふと眉を顰める。
    普段の彼女のズボラさから、手入れが行き届いているとは言えないブラシに、彼女の髪の毛が大量に絡まっていた。
    足元をちょろちょろ動き回るドゥをいなしながら、自分の髪の毛をちまちまと指で取り除く。
    「ちょっと待ってて…、ブラシの掃除してるから。」
    「Prr…Prrr」
    「んー、何?」
    グイグイとジーンズの裾を引っ張るドゥに、Youはしゃがみこんで耳を傾ける。
    「Prrrrrr」
    彼は目をキラキラさせて、Youの抜けた髪の毛に自分の毛先を伸ばす。
    「……欲しいの?」
    「Prr」
    「…私の髪の毛?」
    「Prrr」
    Youは視線を右上に逸らしてから、ドゥに微笑む。
    「…良い子に出来たらね?」
    「Prrr」
    Youの言葉に喜ぶ様に、ドゥはくるくる回り出す。
    彼女はため息をつきながら、取り除いた髪の毛を手のひらでクルクルまとめ、小さなボールを作る。
    それを積んだタオルの上に置き、バスルームの扉を開いた。

    バスチェアに腰掛けると、ぽんぽんと自分の膝を叩いてみせる。
    「ほら、ブラシかけてあげるから。」
    Youに声を掛けられ、ドゥはいそいそと彼女の膝によじ登る。
    顔に近くなった事で、一気に近くなる異臭の源に顔を顰めながら、Youは丁寧にドゥの髪にブラシを入れた。
    「〜♪〜〜♪」
    「…っふふ、何の歌?」
    「Prrr〜」
    「はいはい、後で聞くから。…大人しくしてて。」
    ご機嫌で鼻歌を歌うドゥを、Youは慈しむ様に毛繕いしてやる。
    小枝や枯葉は取り除き、ペンキかなにか、ねちゃねちゃしたよく分からない物には目の細かいコームを使って。
    ある程度のもつれや埃、ゴミ類を落としたところで「よし、」とYouが呟く。
    「終わったよ。」
    「Prrr〜♪」
    「後は、シャンプーをしておしまいね。」
    「」
    ぴたり、とドゥの鼻歌が止まる。
    「……ちょっと、ドゥ。降りて。」
    膝から追い出そうとグイグイ押すが、ドゥはぎっちりとYouの膝にしがみついて離れない。
    「……ドゥ?」
    「…。」
    「私はちゃんと、バスルームまでちゃんと着いてきたし、ブラシもかけてあげたわよね?」
    「……Prr」
    「"良い子"にしか、ご褒美も髪の毛もなしよ。」
    「Prrr〜…」
    遂には、バスチェアとYouの膝を一緒にぐるぐる巻きにしはじめたドゥに、Youは深くため息を零す。
    「……大サービスよ、私が洗ってあげる。」
    「Prrr」
    待ってましたとばかりに振り返り、Youの腹に体全体を擦り付けて来るドゥに呻き声を漏らす。
    「(…もしかして、最初からこれが目的…?)」
    訝しむ眼差しのYouに構わず、ドゥは再び調子外れな鼻歌を歌う。
    「はいはい、ちょっとどいてね。」
    置いていかれると思ったのか身を固くするドゥを、Youは笑って優しく撫でる。
    「ジーンズを脱ぐの、濡れちゃうでしょ。…ほら、どいたどいた。」
    「Prrr…」
    恐る恐る膝から降りたドゥを、必要以上に心配させないように手早くジーンズを脱ぎ捨てて、洗面所に放り投げる。
    ついでにパーカーも脱いで、ショーツとTシャツだけの姿…。
    犬のシャワーを手伝うスタイルにすると、Youは髪の毛を簡単に括った。
    「ほら、おいで。」
    再びバスチェアに腰を下ろし、ドゥが膝に跳び乗るのを待つ。
    片手でシャワーの温度を確認し、ぬるま湯になったところでドゥの頭をわしゃわしゃと掻きまぜてやる。
    「…いくよ、目を閉じてね。」
    僅かに毛玉全体が強ばり、カシャン、と控え目なシャッター音が響く。
    そろりとシャワーを宛てがい、ゆっくりとドゥの全身を濡らしていく。

    ふと、昔YouTubeで見た子猫のシャワーシーンを思い出した。
    気の毒な位縮こまった子猫は、鳴き声ひとつなく飼い主によって優しくシャンプーされていた。
    コメントによれば、「飼い主を信用しているからこそ、苦手な水をかけられても大人しくしているのだ。」という。
    Youは、膝で丸くなるドゥに視線を落とす。
    ……どんな理由かは知らないが、人ならざる彼は水を酷く嫌う。
    ビーチに遊びに行くというのに、膝丈の長靴を履いて砂浜を歩くだけだし。
    雨が怖くて、レインコートを着込んだ上に傘をさし、それでも不安げに軒下で雨宿りをする。
    …そんな彼が、健気に自分の膝の上でシャワーに震える姿に、Youの胸にじわりと込み上げるものがあった。

    シャワーを止め、シャンプーを手に取る。
    彼の髪の毛が絡まない様に、それでも出来るだけ早く。
    手際よく全身を泡立て、「かけるよ、」と声掛けて再び湯を注ぐ。
    泡があらかた流れた所でコンディショナーも手に取り、手櫛で整えながら洗い流した。
    不快なぬめりが取れた所でシャワーを止め、ドゥをぽんぽんを優しくたたく。
    「終わったよ、ドゥ。…乾かすから、降りてね。」
    「……Prrr」
    どことなく疲弊したドゥが、どちゃり、と音を立ててバスルームの床に落下する。
    You自身も全身ずぶ濡れになっていたので、簡単にバスローブを羽織り、バスタオルでドゥを包んでやる。
    バスマットに胡座をかくと、ずるずると力なくドゥが傍に寄って来た。
    彼の体を膝の間に入れてやり、タオルで水気を取りながらドライヤーをかける。
    ゴオオ、と出力の高い風を、ドゥの全身に満遍なく当てる。
    「……〜♪」
    ドライヤーの音に紛れて、微かに小さな鼻歌が聞こえる。
    ……どうやら、ドゥの元気も戻りつつあるらしい。
    少し安心して、Youはドゥの髪に丁寧にブラシを入れていく。

    「……Raindrops on roses …And whiskers on kittens…」
    安堵のため息と共に、Youの口から旋律が零れる。
    「…Bright copper kettles、And warm woolen mittens…」
    ドゥは押し黙ると、その歌声にじっと耳を傾ける。
    「Brown paper packages…tied up with strings…」
    髪の毛を優しく梳かすブラシと、温かく乾いた風、Youの家のタオルの匂い、そしてYouの歌声。
    「………、You are my number one favorite thing.」
    パチン、とドライヤーのスイッチが切られる。
    「ほら、乾いたよドゥ。…お疲れ。」
    「Prrr」
    すっかりご機嫌に戻った彼は、身軽にぴょんぴょんと飛び跳ねてみせる。
    ふわふわ踊る和毛に合わせて柔らかく香るシャンプーに、Youも満足気に頷いた。
    「……さて、ついでに私もシャワー浴びるから。」
    Youはタオルの上に放置しておいた彼女の毛玉を、まるで猫や犬にそうするようにドゥに向かって放り投げた。
    ドゥがよろこんで毛玉を追いかけて行くのを笑って見送り、バスローブを脱ぐ。
    ぐっしょり濡れて体に張り付くショーツとシャツに、小さく呻き声を漏らし乱暴に脱ぎ捨て洗濯機に放り込んだ。

    バスルームのドアに手を掛けた所で、
    ガチャン
    と、大きくシャッターが切られる音が響く。
    ドアノブに伸びたYouの手を、後ろから現れた黒い爪の大きな手が包み込む。
    「……ドゥ?」
    「…ハァイ♡」
    Youがぎこちなく振り返ると、ぺたりと笑顔を貼り付けたドゥがすぐ後ろに立っていた
    「…、…何か用?」
    「You、またシャワーを浴びるの?」
    「…えぇ。」
    「どうして?」
    「どうしてって…。…風呂嫌いのペットと一緒に水浴びしたら、身体が冷えちゃったからよ。」
    「そりゃ大変だ」
    ドゥはいつも以上にわざとらしく笑うと、Youの裸の腹の上で手を組んだ。
    彼の熱い両手に包まれ、Youの身体にもじわりと熱が移る。
    「こうしちゃいられない僕が温めてあげるよ」
    「……ねぇ、最初からこれが目的だったりする?」
    ドゥの顔を覗き込むYouに、彼は笑って首を横に振った。
    「まさか……Youの気持ちに応えたくなっただけだよ?」
    「……私の気持ち?」
    良い香りがする髪の毛をYouの首筋に擦り付けながら、ドゥはうっそり囁く。
    「……僕は、"君のいちばんのお気に入り"なんでしょう?」
    ドゥの甘く低い声に、Youの顔がカッと赤くなる。
    「……聞いてたのね。」
    恨めしそうな眼差しのYouのつむじに、心底愛おしそうにドゥは唇を押し付けてクスクス笑う。
    「そのために僕の耳はあるんだよ、赤ずきんちゃん」
    「…耳なんてないくせに。」
    「君が望むなら、ロバの耳だって付けてみせるよ?」
    「結構よ。」
    随分ご機嫌で彼女をからかうドゥに、Youは諦めてドアノブから手を離す。
    「…じゃあ、お言葉に甘えて。」
    Youはドゥの首に腕を回すと、彼の胸に自分の前身頃をぎゅうと押し付ける。
    「……温めてくださる?私の王子様。」
    「勿論だよ、プリンセス」
    ドゥはYouを抱え上げるとキスを交わして、笑いながらベッドルームに彼女を運んだ。
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