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    イアさん

    @iasan03

    オリジナルとファンアート

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    POIPOI 16

    イアさん

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    うちよそ交換小説です
    完全身内向けなのであしからず
    お相手様の作品リンクがございますので交互にお読みください

    お返し
    「かみのつながるはなし」
    https://ncode.syosetu.com/n8557ga/

    続き
    「薔薇と羽根」
    https://poipiku.com/6909144/8947756.html

    つなぐはなし「…今日はここまで。まだ日が暮れるのが早いので、気を付けて帰ってくださいね」

    校舎に響く鐘の音
    ざわめき出す生徒達
    次第に傾く陽の光

    仮想県立
    二次元高等学校の下校時間だ

    「まったねー!」

    「一緒に帰ろ〜」

    遅かれ早かれ帰宅の準備をする生徒達
    その中でおずおずと声を上げる生徒がひとり

    「あ、あの…黒記さん白記さん…」
    「少しだけ、お話を聞いてもらってもいいですか…?」

    他の生徒らと談笑を交えていた二人の生徒に、遠慮がちにその生徒は話しかける

    「全然大丈夫だよー」

    「私も構わないわ」

    「めずらしいね。Iaちゃんから話しかけてくるなんて」

    「…そ、その…」

    「どしたのー?」

    「えっと……」

    「…何か事情があるのかもしれないわね」

    「……」

    「場所を変えましょう。きっと、ここだと話しづらいのよ。」

    肩を竦めたIaはゆっくり小さく、一度だけうなづいて見せた

    「ご名答のようだね。じゃあ移動しよっか」
    「ごめんね。ちょっとIaちゃんの話聞いてくるよ」

    「りょうかーい。それよりもあんまりその子のこと困らせちゃダメだよ黒記ー」

    「そんなことしません〜」

    「ほんとかなー?」

    「大丈夫ですー」

    「はいはい。茶番はその辺にして。二人も用事できたみたいだし。お開きにしようよ」

    「そうだね。帰ろっか」

    「じゃっ、ばいばーい!」

    「三人とも、またねー」

    「まったあしたー!」

    和気あいあいと話しながら
    黒記と白記の周りに居た生徒達は解散していった

    「どこに行こうか?」
    「あっ、折角なら、Iaちゃんがお世話してるお庭に行きたいな〜」

    「大事な話があるかもしれないのに、遊び気分でどうするのよ…」

    「重い話だったとしても、空気まで重くしたらみんな潰れちゃうって」

    「そう…なのかしら?」

    「私は構いませんよ。それに、そんな堅苦しい話でもないですし…」

    「よーし、お庭にレッツゴー!」

    「ふふ、黒記さんは溌剌とした方ですね」

    「良過ぎて無茶しないといいのだけれどね…」

    「ん?なんか言ってた?」

    「いいえ、何も言ってないわ」

    「じーー…」

    「早く移動しないと日が暮れてしまうわよ?」

    「はぁーい」

    斯くして三人は、花咲き誇るIaの花園へ
    庭の中央に添えられた小さなテーブルを囲うように三人は座る

    「こんなスペースあったんだね〜」

    「お花と一緒に小休憩すると、心地がいいんです」

    「沢山の綺麗な花々に囲まれながら過ごせるなんて、とても素敵ね」

    「身も心もフローラルな香りに包まれて幸せだよ〜」

    「白記さんにお見せできないのが残念です…」

    「安心して。花達の彩はちゃんと伝わっているわ。目で見えなくても、心で感じ取れるのよ」

    「そうなんですか…?」

    「ふふふ、さあどうかしら?」

    「白記の方がIaちゃんの事困らせてそう」

    「こういうのは、謎がある方が面白いのよ」

    「際ですかい」
    「…いつまでもこうして話してたいけど、そろそろ時間が迫ってきてるね」

    黒記が向けた視線の先
    庭を覆う巨大なビニールの光の屈折から
    茜色の西日が差し込んで来ていた

    「す、すみません。本題に入りますね」

    「いいのよ。落ち着いて、ゆっくりでも大丈夫」

    「はぃ…」
    「…」
    「………」
    「じ、実は…創作者クリエイターについての相談があるんです」

    「えっ、てことは姉貴の?」

    「この話は黒記の方が詳しそうね。話を続けて?」

    「はい…。お二人、特に黒記さんがご存知だと思いますが、あの方についての事なんです」
    「最近、創作者が余りにも破壊行為を繰り返すので、世界や人物達の再生が追いつかない状況に陥っているんです」

    「ありゃ、姉貴どうしたの」
    「実際どうなってるのかはあんまり知らないけど。姉貴はそういうこと大好きだからなー」

    「それにしても限度があります…。普段は一定の破壊行為しかしないんです。それが最近は……」

    「…まさかとは思うけど、止めてくれって相談?出来なくは無いと思うけど、難しそうd「違います…」そ、そなの?」

    「確かに協力して欲しいという相談ではあります。ですが、止めてくれ、とまではいいません…」

    静かに息を飲む二人
    Iaの開口を待っている

    「そちらの創作者様の仔。BlueRose様にお力添え願いたいのです」

    「へ………?」
    「ぶ、BlueRoseに!?!?」

    「ま、また珍しい子が選ばれたわね…」

    「いやいやいやいや、Iaちゃん、それはまずいって。何がまずいって姉貴が二人いるようなもんだからそりゃあもう─」

    「BlueRose様と、文通をさせて欲しいのです…」

    「えっ…と………」

    呆気にとられる二人
    開いた口が塞がらないようだ

    「ご、ごめんねIaちゃん…。ちょっと一つ一つの衝撃が大きくってさ…」
    「それで……なんて?」

    「私達の創作者、イアと、BlueRose様とで、文通をさせて欲しいのです」

    「なるほど………?」

    「文通…ね…」
    「…いいんじゃないかしら?」

    「えっ、ちょちょっと白記。簡単に言うけどさぁ、どうやってあの子に伝えるか……」
    「Iaちゃん、なんでBRを…?」

    「……創作者クリエイターは、以前よりそのお方に興味を示していました。そうして、その方を知れば知るほど、自分に近いものを感じる、と親近感と共に好意を持ち始めていました」
    「…いつしか、どの登場人物キャラクターにも勝る熱狂的な愛情を持つようになったのです」

    「姉貴、そんな事になってたのか…」

    「BlueRose様を選んだ理由です。久方ぶりにあんなに愛情を示す創作者の姿を見たので…」
    「もしかしたら、そのお方の言葉なら、何か影響を受けるのでは無いかと思いまして」

    「…ちなみに、文通の方は?」

    「創作者は外の世界に干渉する事が出来ないのです。私を依代にする事で、世界を渡り歩く事が可能なのですが…」

    「それでは意味が無い…という事ね?」

    「そして、BlueRose様も外からの来訪者は好まない…。となると…」

    「なるほどー。それで最後に残された手段か文通ってことか」

    「それなら一定の距離は保てるし、お互いのルールは守られる訳ね」
    「良いじゃない。きっとあの子も乗ってくれると思うわ」

    「そうかなぁ…。まぁ話してみない事には分からないけどさあ」

    「…創作者は、ふみを読むのも書くのも好きなんです。余り形にはしませんが、言葉で遊ぶのが好きなんですよ」

    「あー、姉貴ちょっと捻った言葉好きだもんね」

    「創作者の身に何が起きたのかは私には分かりません…。ですが、何か埋められない穴のようなものが出来てしまったのかもしれません」

    「それをうちのBRが埋められるとは思わないけどねぇ」

    「…近しい者だからこそ、分かり合える何かがあるかもしれません。」
    「暇つぶしでもなんでも、あの人の行為が収まれば、なんでもいいんです…。」
    「これ以上の破壊行為は…世界の存続に関わるので…」

    創作者そうさくしゃたるもの、己の世界が壊れちゃあどうしようもないもんね」
    「…Iaちゃん、力になれるかは未知数だけど、協力させてもらうよ」

    「!!!」
    「あ、ありがとうございます!!」

    「ふふ、BRに文通相手ができたわね」

    「なんだか変わった関係だな〜」

    「いいじゃない。折角なんだから見守りましょうよ」

    「そうだね…」
    「…さーて、話もキリがついたが…」

    外に目をやれば、夕日はとうに姿を隠し
    うっすらと紫色の空が校舎を包み始めていた

    「…みなさん、この状況とてもやばいと思うのですが」

    「とうに最終下校時刻は過ぎていますね…」

    「…」

    「…走りましょう」

    「「えっ?」」

    まさかの発言に目を丸くする二人

    「走って帰れば大丈夫ですよ!」

    「…Iaちゃんって、意外と豪快なところあるよね」

    「良いじゃない良いじゃない。黒記、行きましょう!」

    「主に走るの私なんですけどね!!!」

    「「…ふふ、はははっ」」

    夜が次第に世界を覆う中
    一番星よりも明るい笑い声が
    校内を照らしていた
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