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    イアさん

    @iasan03

    オリジナルとファンアート

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    POIPOI 16

    イアさん

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    うちよそ交換小説第3弾です
    完全身内向けです
    お相手様の作品リンクがございますので交互にお読みください

    お返し
    「壊すモノ 回すモノ」
    https://ncode.syosetu.com/n8929ge/

    続き
    「物覚え 物語り」
    https://poipiku.com/6909144/8947776.html

    創る者、綴る者何も無い空間に、今日も寝転ぶ
    あぁ、背中がむず痒い

    「この姿勢慣れないな。」

    可愛い使者は学園へ
    またひと遊びしようかと考えていたが
    今日のところはやめるとしよう

    今ここで遊べば"彼女"の努力が水の泡になってしまう
    「だって、あーんなに切羽詰まっちゃって」

    自分がセカイを荒らして回るから、大方あの手紙はそれを食い止める為の手段だったのだろう

    相談をするにせよ、誰かに話しかけなければ始まらない
    彼女にはもう、話しかけられる"誰か"が側に居る

    しばらく見ないうちに成長したものだと感心させられる

    「あの子だけで行かせて正解だったかもね。」

    自分が行ってしまえばただのお遊びになりかねない
    表側の自分がその役割を担ってくれればそれでいい

    「そして何より…」

    あの子から奪ってしまったものを

    仮初でも良い
    誰かとの尊い時間を過してもらいたい

    「楽しんでくれているといいのだけど。」

    彼女はほとんど学園の事を口にしない
    秘密のお話なんですーだとか
    女の子にそんな事聞いちゃ駄目なんですよーだとか

    「この数ヶ月でまたかわいくなっちゃってまあ」
    良い事だ

    定刻に帰って来ては嬉しそうに何かを見たり、一人調べ事をしている

    以前彼女に頼まれて、スマートフォンを創り持たせてやった
    どうやら仲間に勧められたらしい

    「機械にゃアイツが詳しいからね。最新機種だぞ。ふふん」

    「……なんだか、遠くに行かれちゃったな」
    「少し寂しい…かもしれない。」

    自分の心を支配する、言い知れぬ暗い感情
    幾ら振払おうとも着いてくる

    沢山壊した
    たくさん殺した
    たくさん☓☓した

    仕方が無い、自分は裏側
    鏡合わせのその向こう
    私はアイツの片割れ
    あいつの抑え付けた感情全てが自分にのしかかる

    怒り、悲しみ、不安、恐怖、愛憎、衝動
    暗く激しい感情が、渦となって自分を飲み込む

    あぁ聴こえる
    あの"声"だ

    壊せ…壊せ…
    壊せ…壊せ…壊せ…壊せ…

    壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ

    「ああああああああああ!!!!!!」

    濡れた手、生暖かい感触
    無数に転がる───────




    「私は全てを☓☓すのです。」
    「破壊?殺戮?」
    「いいえ」
    「これは私の"愛情表現"」


    「暗い怖い助けてここは何処」
    「嫌だ知らない私じゃない」
    「好き好きだよ愛してる」
    「もっと見せてよ君の全てを」


    「イア、君のことが────



    聴こえない、聴こえないよ
    ───が邪魔をするんだ

    貴方の声が
    言葉が

    「聴こえないよ…」


    「ぁ…」
    薄ら目を開ける
    今日も空が仄暗い
    目の前に小さな紫の光が横切る

    「大丈夫…ですか?」
    小さく可愛らしい精霊の少女が
    心配そうに自分の顔を覗き込む

    なんだ、夢か
    だから眠るのは嫌いなんだ
    その為に時間を決めたのに
    「どうして寝ちゃうかなぁ」

    「えっ…?」
    「何でもないよ。私は無事」

    ゆっくりと起き上がり羽根を伸ばす
    仰向けで寝ていたせいか広がりが悪い
    「ちょっと凝ったかな…」

    まあ、その内治るでしょう
    「随分とうなされていましたよ…」
    「まだ、慣れませんか…?」

    「時間がかかるよ。君は気にしなくて良い」
    そう、気にしなくて良いのだ
    「だから見せてくれないかしら。手紙、受け取っているのでしょう?」
    彼女がハッとする、そんな表情も可愛らしい
    いそいそと便せんを取り出し、渡してくれた

    「眠る夢よりもよっぽどこっちの方が夢心地だ」
    封を切り、内容に目を通す
    彼女は私の言った言葉に小首を傾げている

    さてさて、今度の手紙は────

    「…ねぇ、Ia」
    「…は、はい?なんですか。」

    まださっきの言葉の意味考えてたの?
    自分の声で我に返ったようだった

    「私の文章…難し過ぎたかな」

    どうやら手紙の主は読み書きが得意では無さそうだ
    話題に対する返答で大体の察しが付く
    もっと噛み砕いた言葉にするべきだろうか

    「どうでしょう…本人に会ったことが無いので…」
    「ですが、見たところ手紙そのものになれていない様子が見受けられます。もう少し砕けた表現でもいいのでは?と…」

    「やっぱそう思う〜〜〜?」
    そうだよねぇ

    「ま、わたくし神様なので。」
    どんな文章でも書いてみせますよ〜
    相変わらず彼女は私の独り言に首を傾げている
    「内容を読み解こうと努力している節も見受けられます。あ、あなたの好きなように書けばいいと思います…よ」
    そんな控えめにコメントしてる君も可愛いよ

    「愛い…愛いやつらめ。」
    この世界に朝日は昇らない
    それでも今は君達が小さな星となって
    独りぼっちのかみさまを優しく照らしてくれる


    ─────────────

    はいけい こんぺきのかべん
    BlueRoseさまへ

    へんじがおそくなってしまいました
    ないようがすこしむずかしいかな、と
    こちらでかってにはんだんして
    すこしかきかたをかえています
    よみづらければもどすので、またおしえてくださいね

    ふだんのせいかつは、たのしいですか?
    わたしはあなたとのてがみくらいしか
    いまは、たのしいことがありません

    てがみをとどけてくれるこも
    わたしにあまり、かまってくれないのです
    あそんでくれるひとがそばにいてくれるのは、とてもすてきなことですね

    まっかなさくらは聞いたことがないですね
    こんど、わたしのところでも
    つくってみようとおもいます

    ほうせきはぜんぶすきですよ
    わたしのせかいでは、ほうせきひとつひとつをつかさどるせいれいがいます

    そのこたちのからだはほうせきでできていて
    かみやひとみがきらきらとかがやいています
    わたしはみんなにおそれられているので
    ふだんはちかくにいけませんが
    かれらをときどきとおくからながめたり
    ほうせきたちのはなしごえをきいたりします

    いろあいでいちばんすきなのは
    くぉーつ、ええとすいしょう?です
    いろあいといっておきながら、いろのないほうせきをえらぶのは
    おかしなはなしですよね

    わたしは、とうめいなものがすきなのです
    みずやかぜ、がらすにだいやもんど
    くもりのない、すんだとうめいないろがすきなのです

    じゃあなぜ、だいやもんどではないのか
    すいしょうのけっしょうの、あのかたちがとてもすきなのです
    しぜんがつくりだす、うつくしいぞうけいび
    はりつめたするどいやいばのような
    つめたくもけだかいあのかたちがすきです

    あなたのすきなほうせきもしりたいです
    よければおしえてくださいね

    きょうはてがみにおもしろいしかけをしてみました
    てがみをにかい、さんかくにおって
    なかにいきをふきこんでみてください

    はくめいのつばさ イアより

    ─────────────


    「ふぅ。ちょっと長く書きすぎたかな?」
    平仮名ばかりの手紙をさっと読み返す
    幼児向けの絵本のような手紙だ
    自分からしたら随分と読み辛いが
    これで少しは読みやすくなっただろう

    さて、仕込むとしましょうか
    「どんな仕掛けをするんですか?」

    「うわ、覗き込むなんてハレンチな」
    「何言ってるんですか…」
    「きゃー今日のIaちゃんつめたーい」
    なんて冗談はさておいて

    「赤い桜、ね」
    「どんな風に咲くと思う?」

    「えっ?花びらが赤い…ことくらいしか」
    本来ならそうよね
    ちょっとおどかしてやろうかな

    「Iaは植物が管で栄養を運んでいるのは知っているでしょう?」
    「はい、知っていますよ」

    「はーいここで問題です」
    「えっ」
    ふふ、動揺してる
    さてどんな反応をしてくれるかしら

    「色水を吸った花が、その色水の色に染まる事があるのよ」
    「花を赤く染めたい。でも、色水は植物には良くない…」
    「簡単に"赤く"染められる"液体"…。何があるかしらね?」
    すぐに合致のいった彼女は凄い形相でこちらを見つめている
    いいねいいね、私はそんな君の表情も好きだよ
    彼女が普段見せない怒りの感情
    呆れた表情の瞳のその奥に、静かに怒りの炎が揺らめいている

    「まだ何も言ってないよー?」
    「…あっ」
    「何を想像したのかな〜?」
    「あ、ああ貴方って人は…!!」
    ははは、愉快愉快
    さて、彼女をからかっている間に仕掛けも済ませたことだし
    そろそろ受け渡すとしましょうか
    いつもの封筒にいつもの封蝋
    実は手紙を書く時は、全て同じ仕様にしている
    誰のものか、すぐ分かるように

    「はい、できたよ」
    「えっ!?あぁ、はぃ…」
    してやられた、って顔してる
    わかりやすくて可愛いな君は
    気付かれてないと思ってるのかね?
    ま、彼女の名目の為に黙っておこう

    赤い桜、か
    風に舞う桜吹雪は、さながら紅の薔薇の様に見えるのだろうか
    そんな事を思いながら
    空に指先で桜の花びらを書きなぞった
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