通り雨 それは突然の雨だった。早朝からすっきりと晴れ渡り、暖かい日差しに包まれていた筈の一日。数日前まで吐いた息が白く見えていたのが嘘かのように急激な気温の上昇で、薄いランニングウェア姿でランニングをしていたニンジャラだったが、そんな軽装に大きな雨粒が打ち付けてきたのだ。
昼食前の腹ごしらえとニンジャカレッジから気分良く汗を流していたところに文字通り水を差され、その足の加速を早めるものの、そこはスネークパークのど真ん中でカレッジに戻るにはまだ距離がある。適当な場所で雨宿りをと辺りを見渡してみたが、見渡す限り広々と芝の広がる公園の敷地内で屋根の代わりになるような場所も無い。そうこうしているうちに整った髪も崩れはじめ、体も冷え切ってしまった。
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