どうぞおいしく召し上がれ♡.
1.
「ねえ、サンジ君。このあと少しだけ、ショッピングに付き合ってくれない?」
カウンターでオレンジジュースを飲んでいたナミさんが、グラスの中身が空になったタイミングでそう言った。こてんと首を傾げて上目遣いにおねだりするナミさんはとってもキュートだ。
断る理由なんてひとつもない。
むしろ、おれの方からお願いしたいくらいだ。
「もっちろんだよぉ♡荷物持ちならおれに任せてっ!」
「ふふ、楽しみね」
ナミさんの隣に座っていたロビンちゃんも、ちょうどアイスティーを飲み終わったところだった。
溶けかけの氷だけになったふたつのグラスを回収する。ロビンちゃんはテーブルに両肘をついて自分の頬を挟むようにしながら、おれとナミさんのやりとりを見てにこにこと微笑んでいる。
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