「なぁ、新。お前、事件の首謀者と裏で繋がってたって本当か?」
歪につり上がった口の端が容易に想像できるような、不快な声音が新の鼓膜が揺らした。
大勢の学園関係者が行き交うホールの真ん中で、極めて愉快そうな表情で声をかけてきた男は、新の友人。
より正確に言うならば、かつて友人だった男。
……あぁ、またこの手合いか。
新は欠伸を噛み殺して返答した。
「学園の暗部……そう呼ばれる人達とよく話をさせてもらっていたのは、本当だよ」
「……話、ねぇ。本当にお話ししただけか? 俺はな、お前がやったこと、全部知ってんだぜ――ほら」
ずい、と渾身の切り札を見せつけるように突き出されたのは、スマホの画面。
そこには、誰が撮影したのだろうか、確かにマシンを背にした過日の新の姿が映っていた。喜悦も顕に、敵対勢力に向けて能力を行使する自分が。
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