虹の根本の宝物「虹の根本には宝物が埋まってるって話、にいちゃんとねえちゃんは聞いたことあるかい?」
そんな事をポポイが言い出したのはいつだったか。
それは旅の途中の通り雨。
その後に空にかかった見事な虹を見たからだろう。
雨に濡れた土と草を踏み分け歩きながら言うポポイの声は、晴れ渡った空のように楽しげに輝いていた。
「虹の根本って…そんなの無理よ。そもそも近づいたら離れていくし、あっという間に消えてしまうわ。」
対してプリムはそんな夢のある話など信じないというように息をつく。
現実的に考えれば彼女の言う通り虹の根本なんてものがあったとしてもきっとたどり着くことはできないし、そもそもあるかもわからない。
否定するのも夢がないが、肯定するもの難しい。
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