「明けましておめでとーーー」
「明けましておめでとうございます」
1月1日、俺は歩と二人で初詣に来た。
「まずはお参りだな。歩、二礼二拍手一礼だぞ」
「…分かっていますよ」
仕事の都合で中途半端な時間に来たのにも関わらず、参拝客は沢山いた。俺と歩は列に並ぶ。
「あっ5円玉2枚あったぞはい歩」
「…ありがとうございます」
「今年も良いご縁があったらいいな」
しばらくして、いよいよ俺と歩の番が来た。賽銭を賽銭箱の中にそっと入れ、鈴を鳴らす。深いお辞儀を2回、胸の高さで拍手を2回。そしてお願い事。
(無事に新年を迎えられました。今年も部下達がずっと健康でいられますように…)
最後にもう一度、深いお辞儀。俺と歩はほぼ同時にお参りを終えた。
「京極さんの願い事はファントム関連ですか」
「さーな願い事を言っちまったら叶わなくなるだろ」
ファントムを捕まえることよりも、俺にとっては歩やルシカ達が元気でいてくれることが大切だっつーの。ファントムはその次だ
「じゃあ、おみくじ引きに行くか」
初詣といえばおみくじ、なんだかんだ緊張する。
「歩、どーだった」
「吉…ですね」
「おお良いじゃねえか俺は毎年大吉だから、歩見てろよーー」
俺は堂々とおみくじを広げた。そこに書かれてあったのは―――――大凶。えっ、大吉の見間違いじゃねえのか何度も見直したが大凶と書かれている…嘘だろ。
「えーっと…」
うん、そうだよな。お前も反応に困るよな、歩。人生初の大凶はかなりショックだが、それを上回ることが―――――『大事なものを失う』と書かれていた。
「…京極さんの大事なものって何ですか」
歩も同じとこ見てたのか。俺の、大事なもの…
「お前」
真面目に答えたはずなのに、勢いよくどつかれた。
「な、何すんだよー照れてんのか」
「京極さんの嘘つき」
「上司の言うこと信用できねーのかよ」
歩はネガティブ思考だからな…めんどくせーやつ。まあ、そういうところも気に入ってるけどな。
「じゃあ、逆に歩は何が一番大事なんだ」
「…何でしょう」
「そこは京極さんって言えーーー」
「声が大きいですよ京極さん」
「ふーんだ」
「拗ねないでください京極さん。子供ですか」
「うっるせー」
相変わらずつれねーな、歩は。でも、俺はそんな歩と過ごす時間が心地よい。
「そろそろ仕事の時間が迫って来てるな。御守買って帰るぞー」
「僕は別にいいです」
「えっ、歩は御守買わねえんだな。じゃあ少しだけ待っててくれ」
「分かりました」
御守売り場に行くと、厄除御守、学業御守、安産御守といった様々な御守が並んでいた。歩の分も買っていくか。
「歩、待たせたな」
「いえいえ、では帰りましょうか」
「ちょいストップ…これやるよ」
「これは…」
「健康御守だ…俺たちの仕事はいつも危険と隣り合わせ、いくらお前でもピンチになるときが何度かあるだろう。そんな時これを持っていれば、神様がお前を守ってくれるよ」
「神様に任せるんですね」
「俺が近くにいないときはな一緒にいるときは、俺が命に替えてでもお前を守ってやるよ」
「…ふんっ。行きますよ」
「お、おい待て上司を置いていくなーー」
おみくじの結果は最悪だったが、今が最悪でこれから良くなるってことだ今年も良い一年になりますように