ポタパロ出会い編0.5
びしょ濡れの身体を引きずりながら、烏丸は談話室へと続く階段を降りていた。絶望的なのは、抱えている教科書がすでにボロボロなこと。明日の授業で使うために捕まえたネズミが風邪を引きそうなこと。そして、明日授業がある教科の教科書が軒並みないことだ。
談話室に入るための扉を守る肖像画は、ピーブスにイライラしていたから誰が来たかなど覚えてはいないと言った。それから、通った者はみなきちんと合言葉を言ったのだということも!
心配し、一緒に探そうと申し出てくれた佐鳥と時枝に無言で首を横に振り、ただ一人で学内を駆け回る。三人でいればそれだけ、彼らに失点がつく可能性がある。どうせ犯人は純血以外を嫌うスリザリンの生徒であるだろうことはわかっているからこそ、半純血の二人を巻き込むことは咎めたのだ。
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