『セッ…しないと祓えない人形』赤井秀一はマイペースな男である。
他者を蔑ろにするというわけではないのだが、同棲している恋人の降谷が素肌の上から彼のシャツを羽織り、いわゆる彼シャツ姿で「赤井」と声を掛けても読書がいいところだった赤井は「待て」と言って降谷を二時間放置した。
赤井が降谷に魅力を感じないのではと思われるかもしれないが、そういうことは全くなく、放置されて身も心も冷たくなった降谷は本を読み終えた赤井から「もういいっ」と叫ぶぐらい熱く熱く愛された。
本人いわく「君から誘われた時点でスイッチは入っていたが本の続きが気になって君とのセックスを百パーセント楽しめないのは嫌だった」らしい。
そんなわけで降谷は赤井の読書中は声を掛けないようにしていた。
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