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    気まぐれだけど優しくして

    @325pic

    版権雑多、男女CP置き場

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    POIPOI 82

    『恋愛的感情』
    虎釘にハマって勢いで書いたSSです
    キャラのセリフも掴めてないのでグダグダだけどこんな虎釘があってもいいじゃん〜虎釘好き!って気持ちと勢いで書いた
    後半駆け足だしオチは締まってない…

    ##虎釘
    ##ss

    「釘崎って、もしかして俺のこと好きなの?」
    「…………は?」

    それは突然のことだった。
    今日は一年生全員が別々の任務を与えられていた。それぞれが無事任務を終え、釘崎と虎杖がたまたま同じタイミングで帰宅したので、しばらく二人でだらだらと会話をしていた時だった。
    直前の会話は「寒くなってきたから冬服を買いに行きたいわね」「釘崎ってしょっちゅう買い物行ってるよな」「あんた暇でしょ? 荷物持ちに付き合いなさいよ」などと軽口を交わしていただけだったはずだ。


    「そもそも、その好きってどんな意味よ」
    「えー? 恋愛的な意味じゃね?」
    「なんであんたが疑問形なのよ」
    「いや先に質問したの俺だけど?」

    『好き』という言葉にはいろいろな意味があるだろう。
    そう思いまずは確認をと釘崎はその意味を確かめたが、どうやら恋愛感情だろうとあやふやに返された。
    意味を取り違え、勘違いでこちらだけ勝手に照れて、そんなんじゃねーよと言われるのは恥ずかしい。虎杖がそのあたりを馬鹿にするタイプではないのは分かっているが、そうやって人の好意的な感情を茶化して笑いものにする田舎の男共を嫌という程見てきたのだ。
    思わず身構えてしまうのも仕方ないでしょ、と釘崎は心の中でため息をついた。

    はっきり言って、人として虎杖のことは好きだ。彼の人となりを好んでいるのはまちがいない。
    しかしこれが恋愛感情かどうかと言われると、自分でもよく分からない。というかそんなことを虎杖に対して考えると、なんだかむず痒いような、どうしてか恥ずかしいとさえ感じる。
    どうして恥ずかしいなどと思うのだろう、次はその疑問で心の中がモヤモヤとし始めた。

    きっと同級生にそんな感情を抱く自分が想像できないのだ。うん、きっとそうに違いない。
    そうして釘崎は自分の気持ちに落とし所をつけようと、もう1人の同級生、伏黒を思い浮かべて同じように考えてみた。
    伏黒のことだって好きだ、人として同級生として彼もまた釘崎にとって好意的な存在だ。
    しかし伏黒にそんな恋愛感情なるものを抱いているかと考えると、それは違うときっぱりと思えるのだから不思議だった。

    「なんでそんな風に思うのかさえ謎だわ……」

    思考を巡らせながら、独り言のように呟いた。
    それは釘崎自身の感情に対してだったのだが、虎杖は自分に向けられた言葉だと受け取ったようで、頬をぽりぽりとかきながら口を開いた。

    「いや、今のお前、なんか、そうかなって思って……」

    釘崎自身も分かっていない感情を、何を察したのか虎杖は『恋愛感情』なのではないかと感じたらしいことに、釘崎は戸惑い吠えるように叫んだ。

    「だから! どこをどうとったらそうなんのよ!」
    「わっかんねぇよ俺だって。でもなんていうの? 釘崎から愛を感じた? みたいな?」

    虎杖は少し困ったような様子で、でも最後ははにかんで笑いながらそう言った。
    そこにからかう様な笑みはなく、ただ純粋に照れているような空気を感じ、釘崎も釣られて赤面してしまいそうになった。
    ここで私が照れたらそうと言ってるようなもんじゃない、と息を吸い呼吸を整えると、催促するような虎杖の言葉が飛んできた。

    「んでどうなん? 釘崎って俺のこと好きなの?」
    「あんたね、そういう事は思っても口に出さないもんなのよ。それに女から言わせんなっつの。まず自分の気持ちから言いなさいよ、あんたはどうなのよ」
    「おれ? 俺は好きだよ、釘崎のこと」
    「〜〜〜〜っ! すんなり言ってんじゃないわよ!」

    どうしてこの男はこうもすんなりと応えられるのだろうか。
    「私は自分の恋愛感情もよく分かってないのに虎杖には恋愛感情が分かるってなによ、負けたみたいで悔しい!」などと言いそうになる口を何とか閉ざし、釘崎は悔しい気持ちを飲み込みながら、不意に気がついてしまった。

    嬉しいと感じている自分がいた。

    ――そうか、私も好きなんだ。
    好きだから恥ずかしいんだ。好きだから相手がそうじゃなかったら恥ずかしいなどと思うんだ。好きだから、今同じ気持ちだと言うことが、嬉しいと感じるんだ――。

    「……私も好きよ、あんたのこと」

    分かってしまうと、その言葉はすんなり出てきた。
    けれど面と向かって言うのはやはり恥ずかしくて、釘崎は少し横を向きながら、努めて仏頂面を装いつつそう言った。

    「それ、恋愛的な意味で?」
    「そうよ、恋愛感情で。あんたもそうなんでしょ?」
    「うん。釘崎のこと、好きだよ」

    またこの男はそうやって平然と……。
    釘崎は今度は虎杖にも分かるようなため息をつくと、「ま、この美貌ならあんたが私を好きになるのも当たり前よね」などと得意気な顔で言い放ち、虎杖は「顔は関係ねぇよ、俺は釘崎が好きってだけ」などとまた平然とした顔で言ってのけるので、釘崎は結局赤面することとなった。
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