アイチ誕生日おめでとう!@2024(ああ、早く帰らなければ⋯)
先生に呼び止められてしまって皆への近況報告もそこそこに急いで部屋を出た。
もう既に泣いてしまっているだろうか。泣いていなければいいのだけれど。
出来れば泣いて欲しくない。泣くのだとしても独りの時に泣いて欲しくない。泣くという行為はある種のストレス発散だ、なんて言うけれど独りきりだと慰めてくれる人が居ない。居ないとどんどん下向きな考えになっていってしまう。
⋯信号を待つ時間がもどかしい。
この間にも櫂くんは泣いているのではないかと不安になる。彼は存外寂しがり屋なのだ。Я騒動の時から薄々気づいていたけれど確信したのは最近⋯櫂くんの家で同棲しはじめてからだ。
最初は普通だったと思う。おやすみや行ってきますなどの同棲してから増えた挨拶。嗜好の違いから起こるちょっとした喧嘩。家族以外の誰かが居るという環境に四苦八苦しながらも楽しく過ごしていた。櫂くんも毎日楽しそうで、笑っていたと思う。僕がその日のことを話すと穏やかに笑って聞いてくれた。
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