運命って二度もあると思う?「運命って、二度もあると思う?」
エグザべはその問いに少しだけ驚いて、目を見開いた。
静かな部屋の中、ふたりきりの時間がゆっくりと流れていく。
「運命が、二度も? なんて⋯⋯」
彼の目をじっと見つめながら、エグザべは考えた。
そう、ふたりはそっくりだ。顔も名前も、同じように感じる。
でも、どうしてだろう。何かが違う。心が響き合うような感覚。
「でも、もし二度目があるなら、君に会えてよかった」
ぽん、と軽く笑ったその顔が、ますます自分と似ているように感じた。
エグザべはふわりと息を吐くと、心が温かくなる。
「僕も、君に会えてよかった。だって、君がいないと、こうして一緒にいる意味もわからないし⋯⋯」
言いながら、エグザべはそっと手を差し出した。
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