「おいの恵方巻、食べてくいやい♡」
季節の行事にかこつけてそんな下らない話を持ちかけた私に、ソファで本を読んでいた月島は眼鏡をくい、と持ち上げながらじっとりとこちらの股間と私の顔を交互に凝視して本を閉じた。
「食べていいんですか?どんなに泣き叫んでも無言で咀嚼しますが……病院予約します?」
モコモコのパジャマの股間部分を撫でてくる手の無遠慮さと言葉の恐ろしさにヒェ!と喉から悲鳴が出た。冗談であろうが、月島は本当にやりそうでもあり恐ろしい。下らない事を言うので怒ったのだろうか?と思ったが、見下ろした目は真剣そのものだ。
「う、うう…ちご…その…ふぇ……あわよくばフェラしてらもらえたらいいなぁ、というだな…」
「いいですよ」
こともなげに言い放つ月島の言葉に驚きながら、ではさっそくとパジャマのズボンを下ろそうとしている月島に本当にどうしたんだ?と間抜けな質問をしてしまった。眼鏡をテーブルに置き、私の足元にぺたりと座り込んだ月島はきょとん、とした顔でこちらを見上げて。
「俺もそういう気分だったので」
と爆弾発言をかましてきた。普段口にしない言葉を聞いて、もうそれだけで臨戦状態になりかけの私に、人差し指と親指で作ったわっかからべぇ、と真っ赤な舌を覗かせた見せた月島が「フェラといわず、イラマチオしてあげますよ」とまで言い放つので、この年上の恋人には一生勝てない、と興奮と諦めにただ苦笑を零すしかなかったし、その………無駄に燃え上がりがっつり最後までセックスはしたのだった。