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    サン……コラボのやつ続いた。
    ギフト重力操作🎏×ギフト水中呼吸🌙の鯉月②!!!

    #鯉月
    Koito/Tsukishima

    あやかし。
    まだ日本には妖魔や鬼といった人と異なるモノ、だが人に幸運や吉兆をもたらすモノたちの名を知らず、そう呼んでいた。後に大陸からフェアリー…妖精の意味の言葉を得ても、人々は感謝の意を込めてそのモノたちをあやかしと呼び大事に祭ってきた。
    あかやし達皆は気まぐれ。けれどもどういうわけか人間の事を好ましいと思っているらしい。友好的で、時に愛を振りまく、あやかしというモノたち。彼らが人へ与える異能力をギフトといい、人間にはない能力を得た者はそれを人のために使う。するとあやかしは喜ぶ。といった具合だ。
    それは本当に贈り物なのか?
    それとも猿に棒を与え柿を取る様子を喜んで観察しているようなものなのか?
    どちらかどうかは、あやかしとあやかしに気に入られた人間にしか解らない。
    「呼んだか月島」
    ここらで一頭背の高い一本杉の頂上から小枝の一つも折らずに降りてきた己の上官の顔を見上げて、肩についた葉葛を失礼、と払う。そうしてからパンパン!と手を叩いて「休憩時間はとっくに終わってますよ」と言ってやればゲ、とあからさまに焦ったような顔になるのがおかしい。コロコロと表情を変えて、まるで子供のようだ。すらりと鼻先の通った美丈夫を捕まえてそんな事思えるのは、自分くらいだろうか。
    「つ、月島ぁ、怒らんでくれ…」
    時間を過ぎても執務室に戻らなかった事への懺悔だろうか?ふと戯れに思いつきで「怒っています」と答えてみた。するとキェェと小さい悲鳴を上げた少尉は、自分の周りをうろうろして明らかに狼狽えている。
    上官が、身分の高い家の者が、見目麗しい未来ある若者が。自分に翻弄されて狼狽えるのをみて楽しむなんて、ああ、なんて悪趣味だろうか。
    「……冗談ですよ」
    さぁ早く、誰かに見られる前に執務室へ戻りましょうと言う前に素早く片手を掴まれた。そしてその取られた手は彼の、頬に触れさせられていた。手のひらに少尉の頬の熱を感じでぶわり全身が粟立つ。さっきまで悪戯のバレた子供のような顔をしていたのに今はもう大人の男のそれで。自分の手のひらに頬を擦り付けて、ニィと悪い顔をして笑う。
    「引っかかったな月島ぁ。今日はお前にまだ触れとらんかったから、ちと謀ったのだ」
    そう言ってザラつく男の手のひらなんかに口付けて、見せつけるようにその唇を指の付け根へと運んでいく。彼の意図に気付きハッとして、逃れるように腕を引こうとするが動かない。そうこうしている間に、彼の唇は自分の指の付け根、指と指の又にたどり着いてしまう。自分のそこには、普通の人間には存在しないものがあった。透明に近い薄水色の膜。水掻きを持っている自分の手に彼の形のいい唇が口付けをする。そして真っ赤な舌を出して水掻きを舐めた。
    ああ、熱い。少尉の舌が、燃えるように熱く感じる。
    「熱っ!少尉、だめ、です……」
    「こんなところで?」
    「そ、うです、ひと、人がきますから!」
    ぐいぐいとその顔面を押し退けてようやく解放された頃には、水掻きのほとんどを舐め尽くされてしまいその熱に膜がジリジリと痛んだ。
    「人がこなければもっとしていいのか?」
    「!?」
    そんな可愛くない事を言った自分の上司兼想い人は、今夜うちへ来いという可愛くない言葉を自分の魚の耳へ囁いて、さっさと先へと歩いて行く。
    魚のヒレのような自分の耳を押さえながら、ドスドスと乱暴にその後を追う。乾いた地面には掠れたような自分の軍靴の跡があるだけで、前を歩く少尉の足元には足跡の一つもなかった。
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    Lemon

    DONE🌙お誕生日おめでとうございます!!!!!!!!!!
    現パロ鯉月の小説。全年齢。

    軍会イベント参加記念の小説です。
    ※誤字脱字など、チェックできていないので後で修正します。
    ※はるか昔の明治時代を駆け抜けた人たちに似たような登場人物が出てきますが、当て馬も浮気も一切ありません。100%安心安全の鯉月設計でお送りします。
    お誕生日おめでとう!!!
    酔いどれエイプリルフール慣れない苦味が喉を滑り落ちて、かっと腹の方からの熱が全身に広がる。もう既に頭は朦朧としていて、我ながら吐き出す息は酒臭く、鼻を摘まみたくなった。俺の鼻に摘まめるほどの高さがあればの話だが。鼻を摘まむ代わりにアテを少し摘まみ、再びジョッキをグイっとあおる。

    エイプリルフールの日に年甲斐も無く酔っぱらうことが、ここ数年間の月島の恒例行事となっている。


    三十路の大人がする飲み方じゃないのは分かっている。
    分かっているが、この日は正体が分からなくなるくらいに酔っぱらいたいのだ。だが、同時に、この日だけは酔いつぶれることなく、なるべく長い間、酔っぱらっていたい。酒の美味さだとか、種類ごとの味の違いだとか、俺にはさっぱり分からない。貧乏人の舌にそんなことは判別できないのか、俺が味音痴なのか。そもそも酒には嫌な思い出しか持たないから、味わおうとすらしていないのが正直なところだ。
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