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    daibread139411

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    daibread139411

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    タグ用鰤パロ
    メダリオンから卍解奪い返すシーン

    タグ用鰤パロ「っ…」
    「無様だな。卍解ってのがないと死神はこうも弱い」


    こめかみから伝う血を袖で拭い、死神———潔世一は膝をつき目の前の滅却師を睨みつけた。相対する滅却師は唯でさえいけ好かない顔を愉しそうに歪め此方を見つめている。その表情に同じく戦闘中であろう、後方で相変わらず気に食わない霊圧を爆発させている気に喰わない男を思い浮かべ潔は顔を顰めた。それを自分への恐怖と捉えたのか機嫌を良くした滅却師は、上機嫌に此方へ話しかける。

    「本当はな、陛下からは『奪った卍解でその隊長を殺せ』ってそう言われてんだ」

    突如ペラペラと話し出した男に更に眉間を顰める。奪った卍解って、だって此奴は。

    「————てめェは薔薇(アイツ)の獲物だろうが」

    ニヤリ、口元を歪めた男は芝居掛かった動きで演説かのように高らかと話す。

    「そう!だから俺はあのお綺麗な死神をコレを使って殺さなきゃいけない」
    「なら、」
    「でも、お前ら随分と仲が悪いんだろ?」
    「は?」

    「折角なら苦しんで死んでほしくてさあ、嫌いな相手の卍解で殺されるってどんな気分なんだろうな?」

    その言葉に大きく目を見開く。滅却師側にも随分と腕のいい情報屋がいるらしい。確かに青薔薇の卍解で迎える最期とやらは最低最悪なものであるのは違いない。でも。
    頭の中へ直接響くように聞こえる天挺空羅を聞きながら、バレぬよう手元へと現れた黒い丸薬へと手を伸ばす。

    ————一方、目を見開いた潔を見てニヤリと笑みを深めた滅却師は懐からメダリオンを取り出した。

    「卍解——、あ?」

    高らかな宣言と共に、彼奴とは似ても似つかない赤い薔薇がその蕾を開いたその瞬間。一瞬にして花弁が空へと舞い上がり辺りを彩った。今度は滅却師がその光景に目を見開く。

    「んで、発動しきってないのに」
    「————折角お前の卍解なんて喰らってもどうってことないって言ってやろうと思ったのにな」

    いつの間にか、立ち上がり滅却師の元へと向かう潔の手が持つ斬魄刀は薄く色味を帯びている。それを見た滅却師は更に大きく目を見開いた。だってそれは。

    「どうして!卍解が戻ってやがる!」


    「——————そのクソ足りない脳みそで考えてみたらどうだ?」

    青い桜の花弁が舞い散る中、口元の血を拭いながら隊長羽織を揺らし死神——ミヒャエル・カイザーは滅却師の元へと向かう。

    「これでも反省している。状況判断をクソミスって卍解を奪われたことに関してはな」

    恐れたように一歩後ろへと下がった滅却師に笑みを深め、辺りを舞う花弁を一枚手に取る。

    「彼奴の脳内みてえなクソピンクより青の方が美しい。その美的感覚は褒めてやるよ」

    「やっぱり薔薇と言えば青より赤。それは認めてやる」

    状況を理解したのか、即座にメダリオンから手を離し弓矢をつがえる滅却師へ口角を上げる。隊長の相手を任せられるだけのことはある、素早い状況判断だ。

    「でも」
    「だが」

    ——————彼奴の方が、ずっと強い。

    話終わる前に矢を放つ滅却師を相手取るよう、斬魄刀を構えた死神は口の中で小さく囁くように呟いた。いけ好かない好敵手。自身の才の延長線(同類)。嫌いだから伝えてやることなんてきっとない。でも。

    「っこうなったら!」

    馴染みある気に食わない霊圧が後ろで爆ぜるように高まる様子に、人知れず笑みを深めた。確かに青(赤)は美しいが、センスのいい彼奴の卍解など気味が悪い。これだって伝えてやるつもりはない。焦ったように此方へ突っ込んでくる滅却師へ向け、死神は言い慣れた言葉を放った。

    「卍解———」
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