ゼウスの憂鬱「ひっ、ぁ……あぁッ、ん……!」
「っ、は……ぁ、茨……」
どうしてこうなってしまったのだろう
もう何度目かわからない自問を、茨は今日も繰り返している。勿論セックスの最中なので、胸の内で、だが。
「ぁっ、そこ、ばっか……んぁあ、ア……ッ!」
「ふふ、茨はここが好きだよね……とんとんしてあげると、私のに絡みついてくるよ」
「やぁっ、言わなくていい……ッあ!」
何でもできる万能神。まさにその名を欲しいままにする凪砂は、色事においても優秀で完璧だった。最初こそインターネットや文献で見聞きしたものを真似て試している素振りはあったものの、すぐに茨の体の悦いところを覚え込んでしまったのだ。
今では抵抗も逃げる事も許されず、毎度高みへと導かれてしまう。男同士のセックスなんていいものではないだろう、などとタカを括っていた自分を過去に戻れるならぶん殴ってやりたい程だ。
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