魔法使いになりたいネスは、三十路まで童貞でいるらしい 魔法使いは僕のずっと憧れの存在だ。
絵本で読んだ騎士と魔法使いが竜を倒す物語は僕のお気に入りだった。
両親や、兄や姉には『そんなくだらないもの早く捨てろ』とか『まだそんなこと信じてるのか?』などと散々馬鹿にされてきたけど、僕はいまだに信じ続けてる。
この世には証明できない、謎、不思議、魔法とは言い切れなくても、化学では証明できないものを考えることが好きだ。
だから、周りを熱狂させる熱を感じたくてサッカーをやっている。
そして、今まで周りから蔑ろにされてきた僕が初めて出会った光、カイザーを信じ続けてここ、ブルーロックまで来たのだ。
そんなある時、食堂でランチをしようと席を探していると世一達が集まって話しているのが見えた。ここでなにか有力な情報が得られればカイザーの役に立つかもしれない。鶏肉とサラダのシンプルな食事を選んで、世一達の会話が聞こえる後ろの席の方に座った。
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