俺は相棒の彰人のことが好きだった。初めて会った頃から、一緒に歌わないかと声をかけられたあの時から。ずっと燻っていた世界にあたたかい光が生まれたみたいに、もうこのまま暗闇の中に沈んでいくしかないと思っていた俺を、明るいところへ引っ張りあげてくれた彰人。そんな彼と出会ってから、以前の俺では絶対に見ることのできなかった新しい世界を見ることができた。それはありえないほど眩しくて、驚くほどに楽しい。楽しいなんて言葉では表せないほどの充実した毎日だった。彰人は何もなかった俺に夢を与えてくれた。他の誰でもない俺を相棒に選んでくれた。彰人にとってはそうしたくてしただけかもしれないが、俺にとっては人生が変わるほどの大きな出来事だったんだ。
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