若妻① 観測記録は見せないと頑ななピャスト伯の態度を軟化させるため、観測機器として金髪の雇い主から置いて行かれたオクジーは手持無沙汰にピャストのベッドの傍に控える。
押し売りされた”機器”に目もくれない伯とオクジーの仲を取り持ってくれることを密かに期待していた少女も、「では私も仕事に戻りますね」と言って扉を閉めて行ってしまった。
ど、どうすれば…とオクジーは焦り冷や汗が流れ落ちる。
「あ、あの俺、目がすごくいいんです!六等星?っていう暗い星も見えているって褒められて…」
「…」
オクジーの数少ない美点をアピールしてみるが、ベッドに伏せるピャスト伯は聞いているのかいないのか、生きているのかも怪しいほどピクリともせず呼吸も細い。
地動説の証明に何か役立てればと常日頃から思っているが、やっぱりあの二人の様に学のない自分には何も出来ないのか、とオクジーが頭を抱えていると隣から「ゴホッゴホッ!」と大きな咳が聞こえ、バッとそちらを振り向く。
「ピャスト伯!大丈夫ですか!?」
海老の様に背中を丸めてヒュー…ヒュー…と呼吸をする老人に駆け寄り、ベッドに乗り上げるとオクジーは骨の浮かんだ痩せた背中を撫ぜた。
「ッいらぬ!触るでない!」
敵からの施しは受けぬと、ピャスト伯はオクジーの手を振り払うように腕を振った。
「ピャスト伯!…あ…」
オクジーの間の抜けた声と、ピャスト伯が右手に柔らかい感触を認知したのは同時であった。
もにゅ、とした弾力あるそれは、地動説からの刺客が置いて行った道具の雄っぱいであった。
――こんな豊かな胸を触ったことなど、いつぶりだろうか。
実家に勘当されてから天動説の心理の証明の為に研究に明け暮れた日々であった。妻帯していた研究者もいたが、ピャストは恩人の為にそんなものはいらないと縁談の話も蹴ってきた。
――あぁ…なんと…
温かで、柔らかいそれにピャストが蓋をした想いの欠片が一つ零れ落ちる。
「あ…あの…ピャスト伯…?…ん?!な、なにを…っ、ぁ、ぅ…ッ」
ガッと両手が服の上からオクジーの盛り上がった胸筋を掴み、生肉に味をしみこませるときの様に執拗、じっくりとその双丘を捏ねる。
骨と皮だけの腕のどこにそんな力があるのかと最初はただ驚愕していたオクジーだったが、わずかに己の肌の温度が上がった様に感じ、腹の奥がムズムズしてくる。
「あ、あの…やめてください…んッ!ぁ…あぅッ!」
力任せに貴族を投げ飛ばすわけにもいかず、かと言って生来の自己肯定感の低さから言葉でも強く言えないオクジーは一生懸命にピャストに懇願するが、わずかに紅潮した頬と少し乱れた吐息はオクジーが胸への愛撫で感じていることの証左であり、ピャストはにやりと笑う。
「”使え”と言ったのはそちらではないか?」
「え!?そ、そんな…ひ、アァッ!」
きゅぅと服の上から両方の乳首を摘ままれたオクジーは感じたことのない刺激に訳も分からず身体をビクビクッと震わせ、その間もピャストはオクジーの豊かな胸に顔を埋め、乳頭をこりこりと弄んだ。
「ぃ、痛い…ッ、ぁッ、痛い、です…ッ」
痛い、と言うよりジンジンとして硬く張り詰めてくるような感覚であったが、オクジーには自分の身体がどう変化しようとしているのか分からなかった。
ピャストはベッドに組み敷いたオクジーの豊満な身体を嘗め回す様に見るとニタァ…と笑い、下級市民の簡素な服に手を掛けた。
「では望み通り、好きに使わせてもらうとしようかのぅ」
続く