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    紗哉(さや)

    自由律俳句

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    紗哉(さや)

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    観用少女パロの流れみたいなもの。NOT小説。まだCPになってない。

    観用少女パサテマナロ古今東西の珍しいものを集める商人、エルダー。
    年齢不詳だが数百年生きているとの噂もある謎めいた人物である。
    現在はシンヨコの裏路地にこじんまりとしたアンティーク調の店を構え、一流の職人から観用少女を仕入れ、日がな一日それらの手入れや販売を行っている。
    観用少女は少女と名が付くものの、厳密には性別は存在せず、少年のような見た目のものもあった。

    中でもエルダーが気に入っていたのが、マナと名付けられた一体の観用少女。
    職人がエルダーに似せて作り上げたという彼は、店にやってきた瞬間に目蓋を開いてニッコリと微笑むと、エルダーによくなつき、店の中を走り回って調度品を荒らし回ったやんちゃ坊主で、何もかもが観用少女としては規格外の存在だった。
    マナのその性質に初めこそ頭を抱えて職人へと突き返そうとしたエルダーだったが、そこから何故気に入りになったのかと言えば、他の観用少女の世話をするエルダーの姿をじぃっと見つめて瞳を輝かせていたからに他ならない。
    自身も観用少女のくせに他の観用少女の世話をしてみたいと身振り手振りで訴えてくるので、試しにやらせてみたらこれがまあ上手い。
    同じ生き物だから勝手がよく分かるのか、彼が世話した観用少女たちは艶めきを増し、オーナーとなる人間の心を捕らえ、高い金と入れ替わりに店を去っていった。
    だからまあ、マナは自然とエルダーの気に入りになったのだ。相変わらず悪戯もするやんちゃ坊主ではあったが、それすらも可愛いと思える面が大きくなっていった。
    自分に子供や孫がいればこんな感じかと思いながら、その店は長らく、エルダーとエルダーによく似た観用少女で賑やかに回っていた。

    転機は急に訪れる。
    ある日店の設備に不具合が生じたため、エルダーは修理の業者を呼んだ。
    修理にやってきた業者の人間は、その体格でただの設備修理業者は無理があるでしょと言われてもおかしくないほどバキバキに鍛えられた、身長二メートル近い大男だった。
    威圧感を覚えさせるその体格とは対象的に温和な喋り口調と表情の大男は、仕事も丁寧でエルダーの心象は悪くないものだった。
    そしてこの日。普段、来客がある際は店の奥の居住空間に居るマナが、何を思ったのか店へと出てきた。

    そこで大男とマナは、かっちりと視線を合わせる。

    観用少女とそのオーナーになる人間は、出会うべくして出会う。
    そんな至極当たり前のことを、エルダーは思い出すことになった。



    (2023.05.07/追記していけたら良いな〜)
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