亡くした人たちの想い出にとらわれて桜に攫われそうになる日下部先生。
大事な人を失くした日下部の痛みを自分が総て理解しているとは言い難い。それはそれとして君はまだ生きているだろう。妹さんを残していくつもりか、君を必要としている人だってたくさん居るのだから君はまだこちら側に居るべきだとガベルをブン回して救助に来る脳筋プレーの日車さん。
日下部先生の事を必要としているのは日車さんも同じだけれど、完全に無自覚だと良い。
【目を離してる間に死にそうな気がしてついつい世話をやいてしまう。今のところは友愛、だと思っていたい】篤→←(←←←)寛【世話になった恩があるし、現在進行形でも世話になっていると感じている。友愛と思い込んでいる無自覚の好意】
くっつく前の🍭🌻メモ書き。
「危ねえ、マジで連れてかれる所だった………記憶に干渉してくるタイプの呪霊は洒落になんねぇな。助かったわ」
「それは何より。しかし、呪霊が憑いていたとはいえ見事な桜だったのに…勿体無い事をしてしまった」
「冗談、しばらく桜は見たくねえよ。攫われるのはもう御免だ」
「……それもそうだな。君が連れて行かれては困る」
「……………」
「? どうした日下部、どこか身体を痛めたか?」
「ーーいや、別に。代わりと言っちゃあなんだが、高専の屋上から見る桜もなかなか悪くねぇんだよな。たしか今週末だったか、今年はお前も屋上花見参加しろよ、日車」
「桜はもう見たくないんじゃなかったのか?」
「誰かさんがへし折っちまった桜を見て勿体無いとか言うからでしょーが。これ逃すともう見頃は終わっちまうぞ」
「…それも勿体無いな。邪魔でなければ参加させて貰おう」
「逆逆、邪魔どころか必要枠。お前は保護者枠だからな、手伝え」
「ああ、成程。虎杖たちも来るなら、俺はその枠が妥当か」
「ガキどもは手が掛からねえよ、あいつらは好きに飲み食いさせとけ。俺とお前と伊地知は飲んだくれ共の保護者枠だ」
「………それは保護者枠とは言わな「いや〜!お前が来てくれるなら大助かりだ、俺の負担がだいぶ減る」
「日下部でも苦労するような飲んだくれの相手が俺に務まるとでも?」
「飲んだくれ共が暴れ出したらお前の領域展開で沈めとけ」
「軽々しく恐ろしいことを言うな。きみは俺の術式を何だと思っている…」
「お前のはきちんと話し合えば没収だけで済ましてくれる優しい術式だろ。他の術師の領域はみーんな必中、“必殺”だからな」
「あれは…優しさではない。己の罪と向き合うための…」
「あー!うるせえうるせえ!しみったれた話はナシだ。つうか今年の幹事俺だったのすっかり忘れてた。面倒臭え事考える前にオードブルの予約とか、良さそうなモン見繕うの手伝ってくれ。今年はビール何ケース頼んでおくかな…樽で頼んだほうが早いか」
「…………」
「日車ぁ、高専に報告も残ってるし帰ろうぜ」
「きみのような苦労人は、桜に攫われている場合じゃなさそうだな」
「あん?ホントだよ全く。忙しくてそれどころじゃねえ」
「っく、…ふふ、はは」
「笑い事じゃねえぞ、今年はお前も他の術師共の酒癖の悪さに巻き込まれろ」
「…ふ、そうか、それも楽しみだ」