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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    85_yako_p

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    数年後同棲鋭百。三題噺『小説・クラフト・冷蔵庫』 100本チャレンジその50(2024/4/4)

    ##100本チャレンジ
    ##鋭百

    クラフトコーラの香る夜 クラフトコーラを作ってみたい。
     熱心にねだったのは僕だけど、初めにクラフトコーラに興味を持ったのはえーしんくんだ。
     きっかけはえーしんくんが読んでいた小説にクラフトコーラが出てきたからで、僕はえーしんくんが映画がきっかけじゃなくて小説から興味を持つこともあるんだなぁってなんだか感心したことを覚えてる。ちなみにえーしんくんが映画をきっかけにいろんなものが気になってしまうことはたくさんあって、それはきっとしゅーくんが言っていた『聖地巡礼』みたいなものだろう。
     僕たちは通販でクラフトコーラのキットを買った。スパイスを追加してもおいしいらしいから、少しオシャレな店に買い物に行って唯一知っているスパイスであるシナモンを買い足した。一緒にずっしりと重たい砂糖を買って、これを半分近くも使うのかと驚いたりしたっけ。
     クラフトコーラを作ったのは翌日に学校も仕事もない日の夜だった。晩御飯もお風呂も終わった僕らはパジャマで台所に立って小さな鍋を見つめる。レモンを切る。スパイスを割ったりほぐしたりして、砂糖を大まかに半分くらい入れる。
    「なんだかおかしいね」
    「なにがだ?」
     砂糖の甘い香りと、どれがどれだかわからないスパイスの香り。名前は説明書に載っていたけれど、初めて見るものばっかりだったから香りと名前が一致しない。
    「僕ら全然自炊しないじゃん。……冷蔵庫なんてからっぽなのに、コーラ作ってる」
    「それは……確かに少し妙だな」
    「でしょ?」
     僕が笑ったらえーしんくんは少し微笑んだ。つられるように、夜が砂糖の甘さに溶けていく。
    「百々人はなにかやってみたいことはないのか?」
    「僕? んー、いまはないかな」
     幸せだから。そう答えればえーしんくんは「もっと望んでいい」と言う。
    「あ、でもね」
     僕の言葉にえーしんくんはキョトンとした。この善良な人は勘違いしているけど、僕は結構強欲だ。
    「キミとずっと、したいことを探してたいな」
    「したいこと?」
    「うん。キミとずっと……ねぇ、キミの未来を僕にちょうだい?」
     そういえばシナモンを入れるのを忘れていたけど、これは砕いていれるんだろうか。とりあえず力を入れたら粉々になったから、そのままパラパラと鍋に入れる。
    「映画を観ようよ。気になるものがあるかも。食べ物とか、場所とか……お酒とかもいいかもね」
    「酒はいいな。楽しみが増える」
     えーしんくんが笑う。火を止めて、シロップが冷めるのをゆっくりと待つ。
    「……たくさん映画を観よう。たくさん一緒にいて、同じものを分かち合おう」
     火を止めてしまったらもうやることがない。僕らはなにもせず、のんびり、抱き合うこともせずに並んで夜を過ごす。
    「ねぇ、このコーラを飲みながら映画を観ようよ」
    「ああ。……楽しみだ」
     夜がぼやりと明かりに溶けていく。緑色の宝石みたいな瞳に映り込んで溶けていく。
     ゆっくり、それを見ていた。沈黙が甘い香りに侵されていった。
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    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
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