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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    POIPOI 434

    85_yako_p

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    P+百々人。アルコール中毒のP。
    『あさましきもの』のパロディです。(2022/01/25)

    ##プロデューサー
    ##花園百々人
    ##カプなし

    あさましきもののパロディ「ぴぃちゃん、昨日お酒飲んだ?」
     百々人さんにそう言われて自分が酒臭かったことを知る。百々人さんが言うとおり昨日は酒を飲んだし、なんなら一昨日も酒を飲んでいる。いや、飲んでいない日がない。自分自身で自覚しているほど、私はどうしようもないアルコール中毒者だった。
     アルコールがやめられないと冗談混じりに伝えれば、百々人さんは少し笑みを潜めて口にする。
    「そっか。……ちょっと、心配だな」
     そう言った百々人さんがひどく悲しそうだったので、ああ、もしかしたらこの子のためならアルコールがやめられるのではないかと、そう思ってしまった。まっすぐに私を想ってくれる子に余計な心配をかけないためなら、私はこの悪習から手を引けるのではないかと考えたのだ。
     アルコールをやめようと思います。そう伝えれば百々人さんは嬉しそうだった。「約束だよ」と笑う百々人さんを見て、私はこの選択が間違っていないと確信していた。私は子供のように彼の小指に自分の小指を絡めて、無邪気に約束を交わしたのだった。
     しかし、習慣というのは恐ろしい。私は酒を飲んだ。舌の根も乾かぬうちに飲んだ。それは私が百々人さんに禁酒を誓って、たった二日後の出来事だった。
     それ以降に予定のない昼間のことだった。ふら、と寄ったコンビニで酒を買い、山村さんの目を盗んで隠れて酒を飲んだ。アルコール飲み終わった私の顔面は、アルコールで真っ赤になっていたに違いない。
     山村さんの声がした。コンビニに出かけると、それだけを告げて彼はでていった。その瞬間、入れ替わるように百々人さんが事務所に入ってきた。まるで、ドラマのようなタイミングだ。
     罪悪感で脳みそがぐちゃぐちゃになってしまった。百々人さんと目があった瞬間、「本当にすみません」と呟いて頭を下げた。私の手には捨てようとしていた、ビールの缶があった。
    「もう、飲みませんから」
     信じてくださいと、そんな言葉を乗せる資格のない舌から謝罪を紡ぐ。
     見られている。手にはビールの缶がある。アルコールのせいで頬が熱い。見たはずだ。それなのに、百々人さんは笑う。
    「どうしたの、ぴぃちゃん。お酒なんて飲んだふりしちゃって」
     すっ、と。頭が一瞬で冷えて、クリアになった。血の気が引いたような、気がする。
    「……ありがとうございます、百々人さん。もう、飲みません」
     慰めかと思ったのだが、どうやらそうではないらしい。そう気が付くのに時間はかからなかった。
    「ぴぃちゃんも冗談言うんだね。いいよ、いっぱい僕のこと、からかって」
    「違う、違います百々人さん。私は本当に飲んでしまったんです」
     冗談などと言えず、私は真実を口にして百々人さんの瞳を凝視した。赤とも青ともつかない紫陽花のような瞳を細めて、濁りない笑顔で百々人さんは私に応じる。
    「だって」
     そうして、無邪気に笑った。
    「約束したんだもん。ぴぃちゃんが飲むわけないよ。だから、からかうなら僕だけにしてね」
     百々人さんは、疑ってすらくれなかった。

     あんなにも切なかったこと、後にも先にもないんです。私が年を取って誰かに半生を伝えるとき、きっと私はこのことを思い出すんでしょう。きっと、あの無償の信頼が、喉元に突きつけられた日を忘れないでしょう。
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    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
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