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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    85_yako_p

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    四季→漣を見てもやるタケル(恋愛感情なし)
    100本チャレンジその34(22/9/6)

    ##100本チャレンジ
    ##四季漣
    ##大河タケル

    水玉病 コイツが水玉病にかかってしまった。こんこんと、しんしんと、眠り続けて目覚めない。左の指先から肩にかけてまで、皮膚を真っ赤な水玉模様が這いずっている。
     水玉病は奇病だ。色素の薄い人間がかかりやすいとは言うが、それでもかかった人間はコイツを含めて世界中で百人もいない。
     水玉の広がり方でわかるのだが、コイツの病状はかなりひどい。水玉病はその人を想う人間の涙に触れないと目覚めない。水玉が肩まで広がっているということは、コイツを一番に想っている人間じゃないと、この眠りは覚ませないだろう。
     コイツの眉間にしわが寄っている。水玉病は悪夢をつれてくる。「かわいそうに」と泣いた円城寺さんの涙も、「あんまりだ」と嘆くプロデュースの涙も、コイツを目覚めさせることはない。みんな、薄々察していた。この二人には大切な人が多すぎるんだ。
     事務所にいた人間の目は自然と俺に向いた。まぁ、四六時中一緒にいるから仕方ない。それでも俺にはどうしようもない。俺はコイツのことなんて一番に想ってない。
     一番大切なのはコイツじゃない。今もずっと探している二人以上に大切なものはない。そういう『特別』とか『大切』の席にコイツを、誰かを座らせるのは、なんだかひどく恐ろしかった。
     そもそも俺は泣けない。アイツらを探すって決めた日から、俺は泣いたことがない。コイツを想ってみる。喉がくっ、と詰まる。息が引き絞られる。でも、泣けない。
     コイツが可哀想で、悲しくて、哀れだった。そんなことを考えていたら、突然事務所の扉が開く。
    「漣っち!」
     四季さんだった。もうすでに泣いていた。四季さんがぎゅっと握った水玉まみれの手に、俺が流すことができなかった涙が落ちる。
    「ん………」
    「漣っち!」
     ドラマチックを置き去りにしたまま、呆気なくコイツが目を覚ました。「え?」と俺は声を出してしまった。四季さんには家族がいて、先輩がいて、友達だってたくさんいる。このとき、はっきりと「ズルい」って思った。四季さんは困ったように笑う。
    「バレちゃったっすね」
     四季さんは泣きやまなかった。うれし涙にも、何かを怖がっているようにも見えた。ひとつ息を吸って、四季さんは意を決したように口にする。
    「オレ、漣っちが一番好き」
     そう言って四季さんはコイツを見た。ごめんね、って一言呟いた。コイツはなにもわかってないから、ただいきなり寝起きに告白されただけだ。
     アイツはプロデューサーに連れられて、検査をするために病院まで引きずられていった。四季さんは気まずそうにしてたけど、かける言葉はひとつもなかった。
     ズルいって、なんであのとき思ったんだろう。アイツを一番にしないって決めていたのは俺のはずなのに、どうして何かを取られた気分になったんだろう。
     悲しくなった。悲しみをすり替えるように考える。俺が水玉病にかかったら、誰が眠りから覚ましてくれるんだろう。
     円城寺さんはダメ。プロデューサーもダメ。四季さんはアイツが一番好き。
     アイツは俺のために泣いてくれるんだろうか。アイツのことを考えて、こんなに虚しくなる日がくるとは思わなかった。
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    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
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