Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    針🐝

    @harimari0922

    龍ファク激ハマり中
    なんでも好きですがカイクラ中心です

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 5

    針🐝

    ☆quiet follow

    秋の社で懐ゲーするカイクラ。ファイナルファイト中、何気ない言葉のやり取りから“告白”が発生して、そのまま付き合っちゃう話。
    この2人って今まで一緒にいたのにどういうきっかけで恋愛に発展すんの?と思いながらギャグっぽい感じで1回書いてみたいなーと
    ※カイクラ恋人化・初キスあり

    #カイクラ
    #龍の国ルーンファクトリー

    秋の社。
    懐かしのゲーム機がセットされていて、モニターには昔ながらのドット絵のタイトル画面が映っている。

    カイとクラマは、いつものように並んで座っていた。

    「よし、じゃあスタートっと……お、キャラ選だ」

    カイが2P側のコントローラーを手に取る。

    「ハガー取っていいぞ、お前」

    「……当たり前だろ。俺のだぞ」

    当然のようにハガーを選択するクラマ。
    巨大な筋肉市長のドットが、画面にドーンと映し出される。

    「お前とハガー、身長5センチくらいしか変わらねぇってのウケるよな」

    笑いながらそう言うカイが更に続ける

    「お前も筋肉暴力市長見習って筋肉つけろよ。で、悪さした奴投げ飛ばせよ」

    「どんだけ治安悪いんだよ。こんな平和な里にそんな奴いたら怖えだろ。
    ……言ってろ。お前こそそのナイフ使うやつ似合ってんじゃねぇか、軽薄そうで」

    「うるせぇ!!コーディーはな、真面目に恋人のために戦う男なんだよ!ヒロイン助けるために戦ってんだぞ!ロマンだろ!!」

    そんな軽口を叩きながら、ゲームが始まる。

    「コーディー使うならちゃんとハメ技使えよ」

    「わーってるって」

    ステージをクリアするごとに、ふたりの熱はさらに上がっていく。
    そして――とある場面で、ふとクラマがつぶやいた。

    「……やっぱりお前との協力プレイが一番気が楽だな。何も考えず、ただ楽しい」

    「そうだろそうだろ。お前、俺のこと好きすぎだろ〜」

    冗談のつもりだった。
    どうせ「バカか」とか言われて終わると思っていたのに――

    「……そうだな。確かにそう言われたら、そうだな」

    「……悪かった悪かった!冗談……?!!え?!今、“そうだな”って言ったか?!」

    「言ったな」

    「ちょ、ちょっと待て!俺の“好き”とお前の“好き”って一致してんのか!?」

    カイの声が上ずる。
    手の中のコントローラーは、汗ばんで滑りそうだった。

    敵が暴れ回る画面なんて、もうどうでもよかった。
    それよりも、この一言の真意が知りたかった。

    クラマはカイの方を見て、少し目を細める。

    「……分かってるくせに聞くなよ。お前、鈍くはないだろ」

    「いや、俺は鈍くなかったとしても、お前は急にIQ下がること言うからな!
    後から“やっぱ無し”とかダメだからな!俺の“好き”はこういうことだぞ!!」

    言いながら、カイはコントローラーを置いてクラマの手を握った。
    じんわりと汗ばんだ手が、熱を伝えてくる。

    カイはしっかりとクラマの方を見る。
    すると――

    「……これが“好き”ってやつなんだろ」

    クラマも手を握り返した。
    その顔は、ほんのり赤くなっていた。

    カイは肩を揺らして笑う。

    「……ずっりぃなぁ……
    俺、そういうの言う時は毎回冗談にしてんのに、
    いざ本気で返されると……めちゃくちゃ心臓ぶっ壊れそうなんだけど」

    「お前のは冗談に聞こえるけどな。
    “俺のこと好きだろ〜”とか、そういう軽いやつ」

    「軽いように見せてんだよ、バーカ。
    本気で言ったら、逃げられそうで怖かったんだよ」

    「……逃げるのは、もうやめだ」

    その言葉に、カイの目が揺れる。
    “もう離れない”という覚悟が、確かにそこにあった。

    ゆっくりと、クラマが身体を傾ける。
    カイも自然と顔を寄せていた。
    どちらともなく、引き寄せられるように。

    息がかかる距離。
    手はまだ繋いだまま。

    カイがそっと、クラマの頬に手を添える。
    いつもの冗談めいた口調は消えて、そこには優しさだけがあった。

    そして、唇が触れた。

    やわらかくて、あたたかくて、
    ただ触れ合うだけの、短くて、確かな口付け。

    ……なのに、息を止めるほどに緊張して、
    触れたあとの余韻が、やけに長く感じられた。

    唇を離しても、手はまだ繋がれたまま。
    ふたりの間には、静かな熱が残っていた。

    沈黙を破ったのは、クラマだった。

    「……ときメモなら、ここで鐘が鳴ってるな」

    カイが吹き出す。

    「クラマテングノミコト、攻略できて良かったぜ」

    「まさかファイナルファイト中に、こうなるとは思ってもなかったな」

    画面の中では、ゲームオーバーの文字が点滅していた。
    でも、ふたりの関係は、まさに“スタート”を迎えたばかりだった
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works