どーなつ組のうるふうっど先生〜ハッピー恋の進展編〜 園庭では子ども達が元気に駆け回り、笑い声が響いていた。ウルフウッドは子ども達と遊ぶ合間に、子どもの人数の把握と、危ない事をしている子がいないか確認する為にぐるりと園庭を見渡した。
「ん?」
途中で気になるものを見つけて視線が止まる。園庭の隅にしゃがみ込んで何かをしている子がいたのだ。子どもが静かにしている時は何かをやらかしている事が多い。ましてや普段元気いっぱいに走り回っているような子ならなおさらだ。
「なにしとるん?」
しゃがみ込む背中に近づき、ウルフウッドは声を掛けた。
「あ、兄ちゃん」
「兄ちゃんやない。先生やろ」
「だってせんせぃ、ワイとそっくりやから」
そう言って笑ったのはどーなつ組の園児ニコラスくんである。ニコラスくんが言った通り、ウルフウッドとニコラスくんはよく似ているが赤の他人である。もしかしたら遠い遠い親戚で血が繋がっているかもしれないが、今のところ血縁関係は無いというのがウルフウッドが知っている事実である。
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