モン・シャオフェイという男はとても素直だ。
実直、真っ直ぐ、清廉潔白…そんなものを絵にかいたような人間だ。
それでいて、ルールを外れる豪快さや、ちょっとしたルーズな面もある。おかしな好みや、愛嬌…それらがちょうど魅力として顕れるよりも、堅物になりそうな側面を崩しまろやかにして、まるで普通のそこらの誰かのように見せている。
もしかしたら損をしているのかもしれないが、おかげで俺のものになるまで誰の手もつかずにいてくれた。
彼を前にした時の、眩しさを愛しさを苦しさを理解するのはこの世で俺だけでいい。
その素直な男は、当然欲にも実に真っ正直だ。
とにかくシャオフェイの行動の一手目はキスだ。
もちろん、対タン・イーである場合のみであるが。
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