懺悔せよ(仮)ああ、解ってたよ。
奴がどうしようもねぇ屑だってことは。
解ってて恋人になった。
じゃあ何を今更?
今更だからだよ。
奴が女の腰に手を回そうが、心中に誘おうが赦してきた。何故かって?
俺が誰よりも太宰に愛されていたからだ。
女に囁く甘い言葉は一晩相手をしてもらいてぇから。
ただそれだけだからだ。
‥‥‥だがどうだ。
今、俺の目線の先には男女が抱き合い‥‥接吻をしてやがる。
太宰、その女とする接吻は気持ちいいか?
なぁ、手前云ったよな?
接吻は惚れた奴にしかしねぇって。
その女は惚れた女だって云いてぇのか?
‥‥だったらその女に手前を呉れてやる。
もう‥‥‥限界だ。
太宰がどんなに女と遊ぼうと、太宰が惚れているのは俺だけだ、そう自分に云い聞かせて何でもない素振りを見せた。
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