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    アロマきかく

    @armk3

    普段絵とか描かないのに極稀に描くから常にリハビリ状態
    最近のトレンド:プロムンというかろぼとみというかろぼとみ

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    アロマきかく

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    リンバスの彼奴風味。
    リンバス風味なので表記はわかる限り現行方式で。
    この形式だといくらでもぽこじゃか出てきそう。

    きっと今(L社時代)でもあの井戸の底から全てを見ている。
    あとろぼとみ時代のQ&A見つけたので読んでみたら予想以上にAの精神脆かったわ

    #ろぼとみ他支部職員

    ダアトの底から見ている「ここも……皆、死んでる……」

     子供は生存者を探していた。
     この施設を救うため。
     正確には、ちょっと違うかな。
     この施設で共に働く、とある少女を救うため。

    「……っ、はぁ……はぁ……っぐ、う……」

     子供の左手があらん限りの力を込めて右肩を押さえる。
     その手はすっかり真っ赤に染まって、ぬらぬらと気味悪く照明の光に照らされる。
     押さえている右肩、そこにあるべき右腕は無い。
     制圧対象である幻想体に、切り落とされてしまったから。

     子供は脇腹にも傷を負っていた。
     まるで右脇腹の一部が欠けたかのようにえぐられており、傷口からは止め処なく血が零れ、時折内臓の一部が覗く。
     この傷も、先の幻想体がつけたもの。
     収容違反を起こし、現在進行系で施設内を徘徊している幻想体は、とても職員だけで制圧できるものではなかったようだね。
     管理人は見かねてR社のウサギチームに頼ったけれど、戦闘のプロである彼らをしてなお制圧できなかったんだ。
     結果、生存者を求めて今も子供が探して回る先。どこもかしこも、生きている人間はいまだ一人として見つかっていない。

    「管理人がTT2プロトコルを使わないのなら、もう……あれしかない、ってのに」

     このときの管理人に何が起きていたのか、当然子供は知る由もない。
     たった一回の失態で、施設全体が壊滅してしまった。
     その責任の重さと、一体で施設を壊滅させるに至る幻想体の恐ろしさと、不甲斐ない結末を直視した。
     その結果、心が壊れて放心していたんだ。

     でも、そんなこと知らされなければわからないよね。
     だから、子供は自分が今できることをするしかなかった。
     逆行時計という幻想体の力で、施設全体を平穏だった時間まで戻すこと。それが子供の目的。
     けれど、それを実行するには大きな問題を乗り越えなければならなかった。

     それは、逆行時計のゼンマイを巻くための協力者を見つけること。
     逆行時計を使用するには、やたらと大きくて重たいゼンマイを巻く必要があるんだけど……
     右腕を失い、右脇腹もえぐられた今の子供には、とても一人で回せる代物じゃない。
     だから、一緒に重たいゼンマイを回してくれる協力者が必要だったんだ。

     だけど、行けども行けども見つかるのは死体ばかり。
     今の施設で解放済みの部門である一番奥、抽出部門まで瀕死の身体を引きずりながらもやって来たけれど、ここにも生存者は居ないか、と思った矢先のこと。

    「……え……?」

     子供は一瞬我が目を疑った。見間違いかと思いかけた。
     折り重なるように倒れていた死体の一番上。
     ぐったりとして一見死んでいるように見えた人物の胸が、僅かに上下しているように見えたんだ。
     子供は既にいつ気を失ってもおかしくないほどに出血していた。
     足元もおぼつかないし、視界だって霞んできている。
     見間違いかもしれないけれど、今の子供にとって一縷の望みとして縋るには、充分すぎる糸だった。

     子供がその糸に縋った結果どうなったかは……別の機会にしようか。
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    アロマきかく

    DOODLEたまにはサブ職員さんの解像度を上げてみよう。
    49日目、オフィサーまでも一斉にねじれもどきになってその対応に追われる中、元オフィサーであったディーバにはやはり思う所があるのではないか。そんな気がしたので。
    甲冑で愛着禁止になったときも娘第一的な思考だったし。
    なお勝手に離婚させてしまってるけどこれは個人的な想像。娘の親権がなんでディーバに渡ったのかは…なぜだろう。
    49日目、ディーバは思う 嘔吐感にも似た気色の悪い感覚が体の中をのたうち回る。その辛さに耐えながら、“元オフィサー”だった化け物共を叩きのめす。
    「クソっ、一体何がどうなってやがんだよ……ぐ、っ」
     突然社内が揺れ始めて何事かと訝しがっていたら、揺れが収まった途端にこの有様だ。
     俺がかろうじて人の形を保っていられるのは、管理職にのみ与えられるE.G.O防具のお陰だろう。勘がそう告げている。でなければあらゆる部署のオフィサーばかりが突如化け物に変貌するなどあるものか。

     もしボタンを一つ掛け違えていたら、俺だってこんな得体のしれない化け物になっていたかもしれない。そんなことをふと思う。
     人型スライムのようなアブノーマリティ――溶ける愛、とか言ったか――が収容された日。ヤツの力によって“感染”した同僚が次々とスライムと化していく。その感染力は凄まじく、たちまち収容されている福祉部門のオフィサーが半分近く犠牲になった。そんな元同僚であるスライムの群れが目前に迫ったときは、すわ俺もいよいよここまでかと思ったものだ。直後、管理職の鎮圧部隊がわらわらとやって来た。俺は元同僚が潰れてゲル状の身体を撒き散らすのを、ただただ通路の隅っこで震えながら見ていた。支給された拳銃を取り出すことも忘れて。
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    アロマきかく

    MOURNINGコービン君から見た緑の話。
    と見せかけて8割位ワシから見た緑の話。未完。
    書き始めたらえらい量になり力尽きて改めて緑視点でさらっと書き直したのが先のアレ。
    コービン君視点、というかワシ視点なのでどうしても逆行時計がなぁ。
    そして33あたりから詰まって放置している。書こうにもまた見直さないといかんし。

    緑の死体の横で回想してるうちに緑の死体と語らうようになって精神汚染判定です。
     管理人の様子がおかしくなってから、もう四日が経つ。



     おかしくなったというよりは……”人格が変わった”。その表現が一番相応しい。むしろそのまま当てはまる。
     Xから、Aへと。

    「記憶貯蔵庫が更新されたらまずい……それまでになんとかしないと……」
     思い詰めた様子でダフネが呟く。続くだろう言葉はおおよそ察しがついていたが、念のため聞いてみる。
    「記憶貯蔵庫の更新をまたぐと、取り返しがつかないんですか?」
    「……多分」
    「多分、とは」
    「似た状況は何回かあった。ただし今回のような人格同居じゃなしに、普段はXが表に出ていてAは眠っている状態に近い……っつってた、管理人は。相変わらず夢は覚えてないし、記憶同期の際に呼び起こされるAの記憶は、Aが勝手に喋ってるのを傍観しているような感じだったらしい」
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