ウィッシュ・トゥ・ビーに愛を込めて ふと意識が浮上する。寝惚け眼で横を見れば隣で寝てる筈の君がいなかった。トイレかなって寝返りを打てば足先に何か触れて飛び起きた。勢いよく布団をめくれば足元でまんまるになって寝ている君がいてとうとう声が出た。
流石にこれには君にも起きたらしい。ぽやぽやした様子で「んん……? イデアせんぱい……?」と寝起きの声がした。犬とか猫たんじゃあるまいになんで人の足元で寝てんの? まんまる寝してるのは正直可愛いと思うけどそれ以上にビビるんですわ。
「び、びっくりした……!! なんで足元にいるの? ゴーストみたいなことせんでもらえます? 心臓爆ぜ散らかすところだったんですけど」
拙者の苦情もなんのその。暫くそのままぼんやりしてたと思ったら落ちた。つまり寝た。僕も人のこと言えないけど君もかなり寝汚いよね君。でも流石に足元で丸くなられると僕もおちおち寝てられないんだよな。蹴りそう。
「ほら、そんなとこで丸くならないの。こっちおいで」
呼びかけるもまるで効果はなく。一度寝たらなかなか起きないもんね、君。
溜息を吐いて君の背中を軽く叩く。眉間にちょっぴり皺が寄せてぐずり出す。「ほら起きて。こっち来たら寝ていいから」と呼び掛けながら少し揺さぶればやっとのっそり身を起こした。
「はいはいおねむですね、ぇえええ!?」
寝惚けているとはとても思えないパワーで押し倒されてそのままぴったりくっついて寝てしまった。いやちょっと待って、これ結局僕寝れない奴では!?