01どうでしょう #1#1 腹を割って話そう
深夜0:50 402号室
タキ「私とポッケ君はもう電気を消して寝ていたんだよ!そこに、出来上がった陽気な君がだ!『ドンドンドン!』ってしてきて、『何だい?』と言ったら『寝てンのか?』って入ってきて……ドカドカドカドカ入ってきて、そこに座ったかと思ったら電気をつけて、『腹ァ割って話そうぜ』って言い出したんじゃないか……」
全員 「wwwwwwwwww」
事件の経緯
タキ「じゃあ説明しよう。今ここで何が起こったのかをねぇ。私は今日アレだよ、皆ご存じのファン感謝祭ツアーの、夜を迎えたわけだよ。皆もう観ただろう? 私はあの雪の中、鬼をやってたアグネスタキオンだ。あの後に、私はやっとこのホテルに着いたわけさ。そうしたらもう時間もなくて、急いで風呂に入ってその後に私はトークショーをして……カフェと共に2時間のトークショーをして、写真を撮って私はもうヘトヘトだよ。さあ寝ようかと思った時にまだ打ち上げがあった……そこに私は顔を出して、やっと寝ると決まったのが12時だよ。いいかい? 12時に私が布団に入って寝ようとしたんだよ……」
タキ「すると現れたのがこのシャカール君なんだよ!」
全員「wwwwwwwwwwwwwww」
タキ「何の気か知らないが、シャカール君が現れて、私は別に何とも思ってないのに、『腹ァ割って話そうぜ』と……このウマ娘は、私の部屋に乱入してきたわけだ」
タキ「私は別に、彼女にわだかまりも何も持ってない。データと数字を愛する、尊敬している研究者さ。腹を割って話すことなど何もないよ。ところが彼女は私に『腹ァ割って話そうぜ』と言って……何を話したいのか知らないが、私の部屋に居座って。どうか時計を見ておくれよ。12時52分だ。もうかれこれ彼女は一時間、私の部屋を離れようともしないんだよ」
タキ「それで私は再三『帰りたまえ』と言ってるわけだ。良き友人のシャカール君に、さっきから私は『帰りたまえ! 即刻帰りたまえよ!』と再三頼み込んでいるにもかかわらず、帰らないんだ。そして私は苦肉の策で、このシャカール君と同じ部屋の……デジタル君に、今電話をしたのさ。『シャカール君が帰らないから連れて帰ってくれ』と言ったら、そのデジタル君はなんて言ったと思うかな?」
タキ「『ひょえ、本当ですか……っ!? これは尊みの予感……カメラを回さねばッ!!』と言って、それでデジタル君は今カメラを回している。どうだい皆、おかしいだろう!?」
全員 「wwwwwwwwww」
タキ「私は、寝かせてくれと言っているんだ!」
シャカ「オレが言いてェのは、明日朝5時に起きないといけねェからっつー確認に来たんだよ。朝5時だから」
タキ「ああ、そうだねぇ。それならそう言ってくれればいいのに……何も『腹ァ割って話そうぜ』と息巻いて、入ってこなくてもいいだろう?」
シャカ「改めてお前に、明日5時だから、絶対寝過ごさねェように言いに来たンだ。そしたらお前が、なンかオレと腹を割って話そうと……」
タキ「違うねぇ、全く違うねぇ」
10分経過
タキ「いいかい、あるウマ娘がだ。朝5時に起きなきゃいけないあるウマ娘が、もう12時になってしまって寝ようとしているところに腹を割って話そうと言って入ってきたウマ娘が一時間居座ったんだよ。そのウマ娘に『帰りたまえ!』と言ったことは別に何の不思議もないだろう!」
シャカ「だから、タキオンが怒ってねェっつーことを聞いたら……」
さらに5分経過
タキ「わかった。明日5時に起きるのかい、私は」
シャカ「5時に起きるぜ」
タキ「ということはもうあと四時間だ。これはいけないねぇ」
シャカ「早く寝ろって言いに来たンだよ」
全員 「……wwwwwwwwww」
タキ「5時なんだから早く寝ろと、君は12時から1時までの間に私に語ってくれたのかい」
さらに40分経過
シャカ「まァ頑張れよ、タキオン」
タキ「頑張るさ。明日はやるからねぇ。そのためにも、あと三時間たっぷり寝て……やるとも、明日は。何をするべきか……」
シャカ「その、いろンなプランを練りながら……」
タキ「練りながら、じっくり寝かせてもらうとするよ。おやすみ」
深夜2:00 402号室
(電気を点ける音)
シャカ「タキオン、悪ィ」
タキ「どうしたんだい?」
全員「wwwwwwwwwwwwwww」
5分経過
シャカ「5時に起きるとか言いながら、どうやって起きるつもりなンだよ? アラームセットしてねェだろ」
さらに10分経過
タキ「今、どうやって入ってきたんだい?」
シャカ「オートロックだとアレだから、鍵の錠を……」
タキ「ああ、これか。ここをこうすると……」
シャカ「入ってこれンだろ?」
タキ「じゃあ、こうしておくとするか。おやすみ、シャカール君」
深夜2:30 402号室
(電気を点ける音)
タキ「どうしたんだい? おや、鍵を持っていったのかい?」
シャカ「そっちの部屋の鍵とオレの部屋の鍵を間違えちった」
5分経過
タキ「帰りたまえ!」
さらに10分経過
タキ「トランプでも持ってきていれば、夜を明かせたかもしれないのに。……カフェは何をしているんだろうね。ちょっと腹を割って話したいねぇ」
深夜2:50 402号室
シャカ「タキオン、さっきお前がカフェと話してェって言ってたから連れてきたぜ」
5分経過
(適当に話すタキカフェ)
さらに5分経過
シャカ「カフェの話はいいにしても、タキオン、お前さっき寝られねェって……」
(おもむろにトランプを取り出す)
シャカ「こンな時にトランプでも、って言ってたからなァ。持ってきたからよ」
さらに10分経過
(ババ抜きに興じる一同)
シャカ「楽しいか?」
タキ「いやぁ、だって私が言い出したんだからねぇ」
さらに10分経過
シャカ「寝っか」
タキ「寝るとするか、そろそろ。カフェもすまないね、なんというか」
カフェ「はぁ……」
タキ「カフェ、シャカール君が私のところに来たのは12時だよ」
さらに5分経過
タキ「腹を割って話すことはもうないだろう? さっきからもう話は終わってるじゃないか。帰りたまえよ。トランプなんかやりたくないさ、こんな夜中に」
シャカ「悪ィな、もう帰るぜ本当に」
タキ「すまないね、デジタル君も……」
デジ「いえいえいえいえ、あたしはこの部屋の壁と思っていただければ」
シャカ「不満があるってンなら、この際言おうぜ。なァ、タキオンも」
タキ「いやいや、不満なんかないとも。私は君たちを良き友人だと思っているし、ファン感謝祭も好きだし、朝5時に起きることに何の不満もないさ。問題なし! 誤差もなしだ」
シャカ「怒ってねェな?」
タキ「怒ってるわけないじゃないか。私は一生を研究に捧げるからね」