アイム・ゴナ・スクリーム「うわ、ついにやったの?」
恐らくアキの怒鳴り声を聞いて、午後の二時に漸く起き出してきたデンジが眠そうな眼でカウンター越しにキッチンを見て放った第一声がそれだが、心外な響きだった気がしてならない。
「……やってねえよ。何をだ」
「さつまじん事件」
薩摩人? ……殺“魔人”か。どうでもいいツッコミは置いておいて、肩からタオルケットを被って引き摺っている彼が持ってきた皿を受け取り、米粒の一つも残さず食べたのを確認する。綺麗に食うようになったな。舐めた訳じゃないといいがと思いながらシンクで水に浸す。
デンジが軽く驚いたのは、キッチンで遅い昼食の準備をしているアキとその横で小さくなっているパワーの、主に上半身が飛び飛びに赤く染まっていたからだ。
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