#お題で紡ぐ白鬼SS 5 そんなこんなで、一週間が経ち、二週間が経ち。閻魔大王の第一補佐官と言う仕事は暇ではないと分かっているし、休みが簡単に取れないのも知っている。貴重な休みを逢瀬で潰すより、心身共に休息を取った方が良いことも分かっている。
それを踏まえた上で。
「いつになったら来るんだよあの仕事中毒~!」
平和な桃源郷に響く、嘆きの声。桃太郎が配達に行っている事をいいことに、独り言が言い放題になっている白澤の姿があった。触れ合ったのを最後に、近いうちにと言ったはずの鬼灯からの連絡は途絶えている。浮気と言う名の女遊びは禁止されていない、むしろ適当に発散しておけとの有り難いお達しは付き合うと決めた翌日に鬼灯から出ていた。なので、切羽詰まって云々ということでもないのだが、それでも顔ぐらい見たいと言うのが白澤の本音である。
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