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    百瀬 碧音🌸💙

    @momoseaoi_key

    百瀬碧音と書いてももせあおいです
    碧音の描いたものはここにいれてくね〜

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    百瀬 碧音🌸💙

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    初めましての方は初めまして、百瀬碧音です
    小説は初投稿です

    pixivに上げていた二次創作のものをこちらにも…!!
    現在はイベストも追えてますが、当時追えていなかの注意書きはそのまま残しておきます…!

    類司(付き合ってない)の体調不良小説です
    ※司くんめちゃくちゃ泣くしめちゃくちゃ吐くので注意
    ※イベストほぼ読めてない
    ※8割捏造

    よかったら楽しんでいってくださいね!

    #類司
    Ruikasa
    #プロセカ
    puroseka
    #体調不良
    poorBodyConditioning
    #嘔吐
    vomiting
    #天馬司
    tenmaji
    #プロジェクトセカイ
    projectSekai

    【類司】新年早々、君って人は…『類…今から、その……お前の家に泊らせてもらうことって、できるだろうか……?』
    「はい?」

    そんな連絡が来たのは、年が明けてすぐのことだった。



    年末年始。子供たちは冬休みだとはしゃぎ、大人たちも子供と遊んでやれる少ない休みだから、とフェニックスワンダーランドにやってくる家族連れも多い。
    だから、僕らもショーを披露しようと休み前から計画を立てていた。

    「なんていったって客がたくさん来るんだ! 未来のスターたるこのオレが、みんなを笑顔にしないで誰がするー!?」
    「お~! いいぞー、司くーん!! みんながキラキラの笑顔に…わんだほいだね!!」
    「フフ、楽しそうだねぇ。そしたら後ろの方のお客さんにも見えるように、いつもよりも派手に爆発させて…」
    「な、いつもよりさらにか…!?」
    「おや、僕のどんな演出にも12000%の全力で応えてくれるんじゃなかったのかい…?」
    「ぐぬ…望むところだー! 無茶な演出のひとつやふたつ、この天馬司が華麗に応えて見せようじゃないか!!」
    「フフ、流石は司くんだね」
    「もう、うるさい……もう少し静かにできないわけ? ……でも、楽しそう」
    「寧々ちゃんも一緒にわんだほいしよーね!」
    「はいはい、わかったから」

    そんな話はもう12月に入ったころからずっとしていて、回を重ねるごとに僕らのショーもどんどんいいものになってきていた。

    今日は集大成、大晦日。年が明けたらすぐに冬休みも終わってしまうし、年始は家族での予定もあるからと僕らの今回のショーは今日が最終日だ、自然といつもより気合が入る。
    始まる直前、それぞれに最終確認をする。そんな中、司くんが壁に背を預けて台本とにらめっこしているのが気になった。

    「司くん? どうかしたのかい?」
    「ん、あぁ類。いや、別に何もないが…どうかしたとは…?」
    「いや…いつもはあまり『台本を確認するだけ』ということはしていない気がしてね」

    動きも含めての確認が多い、とでもいうのか…。それになんだか、今日の司くんには少し違和感がある。

    「そうか? いやまぁ、ちょっとここの流れをな…俺が流れをミスってしまうと、寧々もやりづらいだろう」
    「まぁ…そうかもしれないね。寧々は……今は自分の確認でいっぱいいっぱいのようだね。どうだい? 僕でよければ相手になるよ」
    「いや、大丈夫だ。それより、類は自分の確認は大丈夫なのか? もし大丈夫そうなら機材周りの最終チェックをしてもらえると助かるんだが…」
    「そうかい、わかったよ。それじゃあ僕は機材周りの確認をしてこようかな。……司くん、無理はしないでおくれよ」
    「あぁ、大丈夫だ! 今日もいいショーにしような、類!」
    「フフ、もちろんだとも」

    全く、僕の言っている意味をちゃんと理解しているのだろうか。……そういうことは、自分の顔色の悪さを見てから言ってほしいものだね。



    僕の心配とは裏腹に、存外ショーの方はうまくいった。何事もなく終わったし、お客さんも皆笑顔だった。

    機材も全て片しての帰り道。
    えむくんがはしゃいで、それを寧々が宥める。そんないつもの光景を眺めながら、僕は少し後ろの司くんに声をかけた。

    「司くん、お疲れ様。大丈夫かい?」
    「あぁ、お疲れ類。類の方こそ、疲れてはいないか?」

    ショーは終わったにも関わらず、この期に及んでまだそんなことを。それはわざとなのか、はたまた本当に気づいていないのか。

    「僕は大丈夫だよ。そうじゃなくて……君、自分が今どんな顔をしているかわかって言ってるのかい?」
    「え?」
    「……本当に無自覚なのかい…? それはそれで心配なのだけど……」
    「さっきから何を言ってるんだ…?」

    この様子を見るに、司くんは本当に気づいていないようだ。
    …人のことはよく見てるし過剰なくらい敏感なのに、どうしてこうも自分のことに疎いんだ。

    「はぁ…まぁいいか。司くん、何かあったらすぐに連絡しておくれ」
    「え? っておい、どこに行くんだ」
    「ちょっと用事が出来たのさ。僕のことは気にせず先に帰っていておくれ」

    そうして3人と別れた僕は、少し回り道をして家に帰った。



    あれから数時間、家に泊めて欲しいと連絡が来たのは年が明けてすぐのこと。
    やっぱりこうなったか…と小さく溜息を吐く。
    すぐに了承したものの、彼は僕の家を知っていただろうか…? 僕の部屋を見にくるかい? と誘ったことはあったが、結局家まで来たことはなかったはずだ。
    そう考えて、彼に僕の家の住所を簡単な周囲の地図を送る。
    工具を端に寄せて布団を引っ張り出して敷いていると、スマホの通知が鳴った。
    僕は作業を中断し、外と繋がる扉を開ける。

    「いらっしゃい、司くん。外は寒かっただろう?」
    「あぁ…急にすまんな……」
    「構わないよ。僕はまだ起きていたし…部屋は母屋とも離れているから、特に誰かに迷惑になることもない」

    起きていた、というか、彼が心配で眠れなかったのだけれど。
    中に入るよう促そうとした時、ふらり、と司くんの身体が傾いた。慌ててそれを受け止め声をかける。

    「司くん!?」
    「ぅ……るい…?」
    「そうだよ、僕だ。 大丈夫かい?」
    「すまない、大丈夫だ…ちょっと立ちくらみがしただけ、で……っ…」

    そう言って離れようとするが、うまく焦点が合わないようで瞳がゆらゆらと揺れている。
    どうしてこんな状態になるまで気づかないんだ、とまたひとつ溜息がこぼれる。
    と、司くんの肩が怯えるようにぴくりと動いた。

    「あぁ、ごめんね司くん。とりあえず、まず中に入ろう? ほら、僕に掴まって…」
    「す、すまない……」

    司くんは相当参っているようで、抵抗することなく素直に手を伸ばしてきた。
    そんな彼を半ば抱えるように支え、とりあえずソファへと座らせる。ぐったりとした様子の彼に、毛布をかけ、外と繋がった扉を閉めて鍵をかける。
    大方予想しながらも、一応彼に問いかけることにした。

    「…で、司くん? こんな時間に泊めて欲しいなんて……というか、そんな状態でどうしたんだい?」
    「あぁ……すまない…今、両親共外に出ていてな……今日は帰らないらしいんだ…」
    「うん、それで?」
    「えぇと……少し熱っぽくて、だな…家にいたら、きっと咲希はオレの看病をしようとするだろう…?」
    「あぁ、咲希くんに移さないように……といったところか。でも君、家を出る時にバレなかったのかい?」
    「あぁ。ショーの台本を書くといってしばらく部屋に籠っていたし……その後は類に早く見せたいからと言い訳を残して家を出てしまったから」
    「ふぅん…?」

    にしても、ショーの後別れたのはもう6時間以上は前のこと。そんなに長時間、夕飯時も声をかけられないなんてことが、あの仲のいい彼の家であるのだろうか?

    「……司くん、ちなみに聞くけど…家を出たのって何時頃だい…?」

    そう聞くと、彼は視線を彷徨わせながらしどろもどろ答えた。

    「えぇと……21時前…? 夕飯だーって咲希が呼びに来たから、会わないように慌てて家を出て…」
    「21時…!? 君、今が何時かわかってるのかい…!!?」

    驚きのあまり司くんの肩を掴む。21時前って、もう3時間は前じゃないか…! 驚きのあまり固まっていると、司くんはのそのそとスマホを取り出して時間を確認する。

    「あぁ、もう日付変わっていたんだな…あけましておめでとう、類」
    「あぁうん、おめでと──って、そんなことは今どうでもいいんだ…! 君は、今どんな状態で、家を出てからどれくらい経って……あぁもう、いい。すまないね、ちょっと、あまりにも驚いてしまって…」

    ふにゃりと笑ってあけましておめでとう、なんて少しズレたことを言ったかと思えば、わかっているんだかいないんだかわからない顔で、きょとんとこちらを見上げている。……そういう可愛いのはやめていただきたい、ずるい。

    何はともあれ、今の司くんはこんな状態だ。少し熱っぽくて、なんて言ってはいたが、実際はきっと少しどころでなく熱があるだろう。
    機械を弄っていると怪我をすることもあるからと、念の為用意している救急箱を探す。確か、せっかく用意するのならとある程度必要なものも入れていたはずだ。

    「……類? 何か探しているならオレも──」
    「いいから君は座ってて!!」
    「う……わ、悪かった…」

    しばらく探していると、机のサイドチェストの影に隠れているのを見つけた。こんなところに移動していたのか。夢中になってしまうとそれ以外の物の場所に無頓着になってしまう癖、いい加減直さないといけないね。

    救急箱の中を開けると、やはりそこに体温計や薬の類も一緒に押し込まれていた。体温を計らせて、司くんが数字を見る前に抜き取ってしまおう。本人が少し熱っぽいくらいにしか思っていないのだ、具体的な……しかも恐らく高いであろう数字を叩きつけてしまっては、感じていなかった苦しさも感じてしまうかもしれない。

    「司くーん? 隣、腰掛けても構わないかな?」
    「……いいぞ」

    いい、と言う割になんだか不機嫌そうな態度だ。正直、彼がこんな感じの態度をとることは滅多にないので少し可愛らしい。

    「司くん、どうかしたかい?」
    「別に……」
    「んん…? ……あぁ、さっき座っててって言ったこと、かな?」
    「……別になんでもないと言っているだろう」
    「悪かったね、君に怒るつもりはなかったのだけれど……熱っぽいと言っていたから、あまり無理はさせたくなかったんだ」

    にしても、少し強く言いすぎてしまったかもしれない。司くんのことが心配で司くんを傷つけるだなんて、僕は何をしてるんだろう。
    しかし、僕の説明と謝罪に納得したのだろうか。ほんの少しの間を置いてチラリ、とこちらを見たかと思えば、ふにゃりと笑ってそうか、なんてにこにこしている。
    熱に浮かされた人間の素直な反応には、どこか照れくさい部分があり、思わず視線を逸らしてしまう。

    「類ー?」
    「ん、あぁごめんね、なんでもないよ。それよりほら、一旦体温を計らせてくれるかい?」

    僕も君が心配なんだ、と付け足せば、素直にわかったと体温計を脇に挟む。
    数秒の沈黙ののち、ピピピ、と電子音が静かな空間に響き渡る。それを緩慢な動作で司くんが取ろうとするので、その手から過ごしばかり強引に体温計を抜き取った。

    「あ、ちょ…類、オレまだ見てな──」
    「いいんだよ、司くん。数字を見てしまったら余計に辛くなるかもしれないだろう? だから、これは僕がわかっていればいい」
    「……わかった」

    少々不服そうではあったものの、抵抗する気はないらしい。
    体温計を救急箱に戻しながら、彼から見えないようにそっと数字を見遣る。
    と、そこに表示されていたのは38.6℃の文字。あまりに高い数字に声に出そうになるが、それでは彼を体温計から遠ざけた意味がない。寸でのところで声を飲み込む。

    彼は一体こんな状態で、こんな時間までどこで何をしていたのだろう。
    まさか自分の体調不良にすら気づかず…なんてことは流石にないか、と思い切って問いかけてみる。

    「ねぇ司くん。君はさっき3時間は前に家を出たようなことを言っていたけれど、今までどこでなにを…?」
    「えぇと…最初、そこまで調子が悪いようには思っていなくて、だな……咲希が寝るころには、家に帰ろうとしてたんだ」

    そのまさかだった。昼間のショーの時からなんかおかしい、と思っていたくらいなのに、当の本人はそこまでじゃないと思っていたと。
    でもそこでツッコんでしまったら続きは聞けないかもしれない、と思い、それで? と続きを促す。

    「少し時間を潰すついでに夜風にあたろうかと思って、だな…その……ちょっと、公園に…」
    「この時期にかい!? 3時間も!?」

    なにをしているんだ司くんは。全くもって意味がわからない。ひょっとしたら少々……いや、かなり…

    「…馬鹿なのかい? 君は。僕の家に行くと言って家を出たなら、そのまま僕の家にくればよかったものを…」
    「いやだって、迷惑、かけられないだろう…」
    「その無駄な気遣いで余計に体調の悪さをこじらせて、結局僕の家に来ているじゃないか」
    「…そう、だな……悪かった、帰る」

    少々強く言いすぎたかもしれない、と後悔したのも束の間、司くんは帰る、と言って勢いよく立ち上がる。
    が、熱に浮かされた身体で勢いよく立ち上がっても踏ん張れるはずがなく、そのまま倒れそうになったところをギリギリで支え、そのままその場に座らせる。
    …馬鹿なのは僕の方じゃないか、あんな言い方をしたら、司くんがああいう態度を取ることは分かっていたはずなのに。

    「つ、司くん? 大丈夫かい? …ごめんよ、強く言いすぎた」
    「…いや…だい、じょうぶ……」

    大丈夫、とか細い声で呟いて、それきり黙り込んでしまった。
    しゃがみこんで俯いたまま動かない司くんに、不安で鼓動が徐々に早くなる。
    せめて少しでも楽になればと、そっと背中をさする。──いや、正確には、さすろうとした。
    司くんの背中に僕の手が触れた瞬間、彼の肩がびくりと跳ねた。

    「つ、司くん…?」
    「……る、るい…それ、やめてくれ……背中…」
    「さするのを、かい…?」

    なんで、と聞くよりも早く、吐きそう、と小さく漏らした。
    思わず声に出してしまうほどには辛いらしい。……そんなに辛いなら、吐いてしまった方が楽になると思うのだけれど。
    そう言っても、彼はゆるゆると首を横に振るばかりで、吐くのは嫌らしい。
    仕方なく、ちょっと待ってねと言って一瞬だけ司くんから離れ、その辺に散らかっている袋を一つ手に取ると、広げて彼に渡した。

    「ほら、司くん。そのままそうしていても辛いだけだろう? 吐いてしまった方が楽になるよ」
    「……い、いやだ…無理だ、怖い、吐けない……」

    吐くのが怖い、と言ってぐずぐずと泣き始めてしまう。
    それでもやはり吐き気は治らないのか、震える手で袋は受け取ってくれた。

    「ほら司くん、泣いてたら余計に苦しくなるよ。落ち着いて」

    そう言いながらそっと背中をさすり始める。嫌だ、怖いと言いながらも、時折喉は上下に動いており、抵抗するほどの気力は残っていないようだった。
    僕だってキャストの端くれだ、心配でどうにかなりそうな心の中を司くんに見せまいと、なるべく落ち着いた様子をみせるように努めた。
    いくら背中をさすっても、本人が吐きたくないと拒絶しているのもあってか、なかなか吐けずに苦しそうにしている。

    「司くん、ちょっと水飲もうか。無理にとは言わないが、そんなにずっと泣いていたら水分が足りなくなってしまうよ。ほら、飲めば少しは楽になるんじゃないかな?」
    「あぁ……っ…ありが、とっ…るい……」

    僕は常温の水の入った──とはいえ、時期が時期なのでそれなりに冷たくはあるのだが──ペットボトルの蓋を開けて司くんに渡し、司くんはそれに口をつけた。
    少し口に含んで一瞬のち、うっ、と嘔吐いたと思ったら、次の瞬間にはばしゃばしゃと袋に吐いていた。
    うまく呼び水になったらしい。背中をさすりながら、大丈夫だと声をかけ続ける。

    「大丈夫、大丈夫だよ司くん。上手く吐けてる」
    「ぅ……る、い…うぇっ……っあ…おえっ……」
    「大丈夫だからね、もう少しがんばって」

    それは半分司くんに、半分は自分に言い聞かせるように。
    ボロボロと泣きながら吐き続ける司くんに、何もしてやれないのがもどかしい。

    しばらくして、ふらりと体が揺れた。
    咄嗟にそれを支え、声を掛ける。

    「っと……司くん、司くん…!」
    「…っ……るい…?」

    一瞬意識を飛ばしたみたいだったが、すぐに意識が戻ってよかった。
    泣きそうなのを必死に誤魔化し、吐き気は落ち着いた? と問う。

    「あぁ、おかげさまで、だいぶ……心配かけたな…すまない……」
    「いいんだよ、君が元気になってくれれば、それで。……水は飲めそうかい? 少しでも飲めればいいんだけれど…」

    このまま脱水にでもなったら大変だ、と付け加えれば、渋々口に水を含む。
    先ほど水を飲んだことで盛大に吐いたあとなのだ、きっと飲むことに抵抗があるのだろう。
    幸い、今度は戻すことなく飲むことができたようで一安心する。

    少し落ち着いた様子の司くんは、ふぅ、と一息ついて中を見回す。

    「なんか…失礼なことは、百も承知なのだが……」
    「? どうしたんだい?」
    「…いや、その……思っていたほど、散らかってはいないのだな…?」

    まぁ、床に袋が落ちていたり、救急箱が全然見当たらなかったり。決して人並みに綺麗、という部屋ではないのだが。

    「それはまぁ……昼間から君の顔色が悪かったから。何かあったらいけないと思って、ね」
    「そう、か…そんなに、酷く見えていたのか……」
    「まぁ、そうだね」
    「それは……すまなかった…帰りに用事もあると言っていたのに……」
    「あぁ、それなら問題ないよ。帰りにあった用事、というのは、これのことだしね」

    そう言って、ソファの影にあった袋をガサっと掲げる。
    その袋を見た司くんは、またショーで使う部品か…? などと見当違いのことを言っているので、そのまま袋を渡すことにした。
    不思議そうに受け取って中を見た司くんは、目を見開いてこちらを見上げた。

    「……オレの、ため…?」
    「うん、もちろん。他に誰がいるんだい?」
    「いや…そんなに心配をかけていたなんて、な……」
    「当たり前だろう。君に何かあったら、僕の方がどうにかなってしまいそうだ」

    こんなに可愛くてカッコいいスターを、ようやく見つけた一等星をまた失うなど、とてもじゃないが耐えられそうにない。
    僕の心配そうな顔を見て、少し思案したのちにちょいちょい、と手招きされた。
    促されるままに隣に座ると、ぽす、と僕に凭れかかってきた。

    思わず、え、と声を出して固まっていると、ちらりと上目遣いにこちらを伺ってきた司くんと目があった。
    ふにゃ、と笑ってこちらを見た彼は、心配かけて悪かった、と詫びた後、今日はもう、このまま寝かせてくれ…と呟いて、うとうとと瞼を降ろし始めた。

    仕方ないな、なんて言って、内心ドキドキしながら彼の頭をふわりと撫でる。

    徐々に夜が深まっていく。まったく、新年早々、君は何をしているんだ。無茶をするなと、いつもあれほど言ってくるのは君の方じゃないか。
    目が覚めたら、目一杯甘やかしてやろう。
    今年もよろしく、なんて。嫌だと言われても離れてやるものか。

    密かに、でも確かな恋心と独占欲を闇に隠して、彼の頭を撫でながら、僕も夢の中へと意識を落とした。
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    「なんていったって客がたくさん来るんだ! 未来のスターたるこのオレが、みんなを笑顔にしないで誰がするー!?」
    「お~! いいぞー、司くーん!! みんながキラキラの笑顔に…わんだほいだね!!」
    「フフ、楽しそうだねぇ。そしたら後ろの方のお客さんにも見えるように、いつもよりも派手に爆発させて…」
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