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    sorairoskyblue

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    sorairoskyblue

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    宇さんを待ち続けた四十路煉さんのお話、最終話です。
    話の流れ的には前回の話でおしまいだったので、今回はただただ宇宇煉3pを描きたかっただけの蛇足です。
    どうぞ箸休め程度にお楽しみください。

    ##宇煉

    そして、これから始まる膝の裏を持ち上げられて、ひくひくと震える後孔に、宇髄がツプと舌を埋めた。ぬろりとした感覚が腹の奥を刺激して、煉獄は思わず腰を引く。だが、後ろから煉獄の身体を抱きかかえたテンがそれをさせまいと腰を抑えつけた。テンの手が、煉獄の胸を摩ってその尖りを刺激する。双方からの刺激が脳味噌を巡って、頭がどうにかなってしまいそうだった。
     
    「杏さん、気持ちよさそ」
     
     テンが煉獄の顎をグイと引き寄せて唇を重ねた。そこから煉獄の舌に吸い付いて口内を犯していく。そうしている間にも、今度は宇髄がその孔の中に長い指を埋めて、内癖を擦る。空いた口で、今度は煉獄のペニスに舌を這わせた。すっかりと質量を増したそれは、先端からどろりと期待を混ぜた透明な液を流している。
     
    「あ、あ、も、やめてくれ、」

     ふるふる、と煉獄が首を振ると、宇髄が口を動かすのをやめ、眉を下げて様子を伺った。だがテンのほうは構わずに、煉獄の両足を広げて、ひくひくと期待に動くその穴を宇髄に見せた。
     
    「杏さんのやめて、はもっとってことだから」
     
     もう挿れていいよ、とテンが宇髄を促した。ごくんと宇髄が喉を鳴らして、そそり立った逸物をぺとりと押し付けた。ドクンドクンと心臓が跳ねる。ああ、早くこれで貫いて欲しい。熱っぽい視線を宇髄に向けると、その唇がゆっくりと合わさった。躊躇いがちに宇髄が舌を差し込んでくる。それをなぞるように受け入れて、吸い付く。その心地良い感触と共に、宇髄のペニスが挿入りこんでくる。腹の中がどんどんと拓かれていく感覚に、神経が痺れていく。十分に解されたそこは、すぐに宇髄のペニスを奥まで咥え込んだ。はあ、と宇髄の吐息が漏れる。ほんのりと紅く染まる頬を、煉獄が撫でた。
     
    「気持ち、良いから、——きみの、好きに、動いてくれ」
     
     こくん、と宇髄が頷いた。また唇を重ね合わせて、緩やかに律動を始める。キスの合間に、お互いの吐息が溢れ出る。それすらも逃さないように、また深く重ねた。すると、テンの指が煉獄の乳首へと伸びる。もう片方は亀頭を包み込んで摩る。
     
    「あ、うう、」
    「そっちばっか、ズルい」
     
     テンが煉獄の顎を引いて、その唇を宇髄から奪い返す。今度はテンの下が煉獄の中に入り込んで、上顎をなぞった。その間も続けられ律動に、腹の奥が疼く。段々と深く入り込んでくるそれが、身体を火照らせていく。
     
    「ね、俺のも、気持ちよくして」
     
     煉獄の身体をベッドに横たえる。その口元にテンのペニスが差し出された。ぱくりと口を開けて、その亀頭に舌を這わせた。舌先で割れ目を刺激する。テンが煉獄の髪の毛を撫ぜて、奥まで入れていい?と問う。それに頷くと、些か乱暴にテンのペニスが喉奥に突っ込まれた。窒息感に頭がくらくらしそうになる。口の中が熱で荒らされている間も、腹の奥がどんどんと宇髄のペニスに暴かれていく。次第に込み上げてくる昂りに、煉獄は身体をびくんと跳ねさせて精液を吐き出した。きゅうと腸壁を締め付けると、それに合わせて宇髄も煉獄の中へと吐精した。肩で息をしながら、宇髄が煉獄のナカからペニスを抜く。どろり、と孔から精液が溢れでた。
     
     んじゃ、交代。ぐったりとした煉獄の腰を持ち上げて、後ろからペニスを突き立てた。達したばかりの敏感な場所を、擦られるとゔぁ、と声が漏れた。だが、それでも容赦なく煉獄のナカを掻き回すように刺激をしていった。
     
    「あ、あ、だめだ、もっと、ゆっくり、」
    「んーん、こっちのが好きだろ、杏さん。ほら、あっちのもちゃんと綺麗にしてあげれば」
     
     焦点の合わない瞳を宇髄に向ける。宇髄のペニスに手を伸ばして、精液で濡れたそれを食んだ。い、と宇髄が肩を震わせる。その反応が可愛らしくて、煉獄はさらにそれを攻め立てた。ぐぽ、ぐぽ、と、抽出される度に水音が響く。宇髄のペニスも、どんどんと煉獄の口の中で質量を増していった。
     ぐい、とテンに思い切り腰を掴まれると、最奥にペニスを突き立てられる。身体中に電流が走って、目がチカチカした。その衝撃で、達してしまったが煉獄のペニスからは透明な汁が溢れ出た。それでも身体が反応するのを止められなかった。
     二つの顔が、煉獄を欲に満ちた瞳で見つめている。
     ——ああ、頭が、おかしくなりそうだ。
     そのまま、意識が暗転した。
     
     目が覚めて、がばりと布団から飛び起きた。いつもと変わらない自室の天井。服もきちんと着ている。思わず布団の中で、自分の息子の状態を確認してしまったが、さすがにそこまで若くはなかったらしい。情けないやら、安堵したやら、ふうと息を吐いた。額の汗を拭って、ベッドから足を下ろす。
     いや、冷静に考えると、何て欲望丸出しの、恥ずかしい夢を。どちらとも誠実に付き合いをはじめると決めた矢先なのに、ほんとに人間というやつはこれだから。
     階下から、紬の呼ぶ声がする。お父さん、いつまで寝てるの。もう出かける時間になっちゃうよ、と。それに今起きる、と声を出して、パジャマのボタンに指をかけた。
     
     ***
     
     宇髄の店につくと、中から騒がしい声が二つ外まで響いている。本日貸切、という看板を確認して、煉獄と紬が店の中へ入ると、テンと宇髄が言い合いをしているところだった。知り合ってから、まだ数ヶ月も立っていないというのに、テンはすっかり手話をものにしていて、若いというのは本当に吸収力が高いと、舌を巻いてしまう。
     宇髄は店のロゴデザインをテンに依頼したそうだが、どうにもこの二人、姿形はそっくりでも気は合わないらしい。喧々諤々、という言葉がまさに似合いの打ち合わせをしている姿を見ることが多かった。煉獄の姿を見ると、二人がすぐさま近づいてきては話を聞いて貰おうと我先に口を開く。その間に紬が入って、二人を制した。
     
    「二人ともいい加減にしてください。お父さんは一人しかいないの。それに今日は須磨ちゃんの誕生日を祝いに来たんだから話はおしまい。ほら、準備して準備」
     
     ぱんぱん、と中学生に指示されて二人は意気を失い、素直にそれに従った。紬は須磨の様子を見てくる、と一人階段を上がって部屋へと向かう。奥から宇髄の姉であるまきを顔を出して煉獄に会釈をすると、宇髄にグラタン焼けたから様子を見てきて、と声をかけた。宇髄がキッチンの方へと引っ込むと、テンがはあとため息をついてカウンターに腰をかけた。
     
    「また揉めてるのか」
    「好きで揉めてるワケじゃねェけどさ。ド素人の癖に的を得たこというから、なんとなーくいけすかないだけ。元々いけすかないけどな」
    「ふふ、きみと二人並んでるとまるで兄弟のようなのにな」
    「勘弁しろよ」
     
     煉獄が、テンの隣に腰を下ろす。テンが机に肘をついて、煉獄の顔をじいと覗き込んだ。その顔を至近距離で見ると、朝の夢を思い出してしまって、胃の辺りがそわそわした。テンはにっと口角を上げた。
     
    「杏さん、最近欲求不満でしょ」
    「な、」
    「図星だ。そらそうだろ。一週間に一回は俺とヤってたもんな」
     
     するり、とテンの指が煉獄の腰に伸びた。それだけで、びくんと反応してしまう自分の身体が悩ましい。眉を寄せてテンを睨むと、彼は楽しげにそんな怒んなって、と笑うばかりだ。
     
    「俺だって、我慢してんだから」
    「別に、きみは我慢する必要はないだろう。俺の勝手なんだから、きみが他の人間とそういうことをしても、俺が咎めることは出来ないし」

     今度は、テンが眉を顰める番だった。ぐい、と顎を掴んでテンの方へと顔を向けさせる。端正に整った顔と、茶褐色の瞳が不満気に表情を変えた。
     
    「俺が、そうしたいだけですけど?文句ある?」
    「——……ない」
    「そ。わかってんなら良い」
     
     ぱ、と煉獄から手を離して、テンが立ち上がった。向こう手伝ってくる、と手をひらひらと振って奥へと引っ込んだ。入れ違いに宇髄が帰ってくると、何を話していたのかと煉獄に問うた。
     
    「いや、特に大した話はしてないよ」
     
     だが、その返答は宇髄の納得するようなものではなかったらしい。む、と口を尖らせながら、煉獄の前にコーヒーカップを置いた。ありがとう、と返すと、煉獄の手をぎゅうと握った。ねえ、キスしたい。煉獄にそう伝えると、その柘榴色の瞳が近づいてきた。
     
    「う、いや、まだ俺達はそういう関係では」
    『友達でも、合意ならキスまではありってことで』
    「——屁理屈じゃないか?」
    『あいつばっかり、あんたのこと知ってるの、ムカつく』
     
     そんなことを言われれば、煉獄が断れないのを宇髄は知っている。煉獄の沈黙を同意と受け取った宇髄が、ゆっくりと唇を合わせた。触れるだけのキス。だけど、宇髄の匂いが近くに感じられて、それだけで頭がくらくらしてしまいそうだった。一度離した唇を、もう一回と迫る宇髄の顔を手で制した。べ、と舌を出して宇髄が煉獄から身体を離す。それから、宇髄が煉獄の隣に腰をかけて、とんとんと呼んだ。
     
    『宇髄天元って、どんなヤツだった?』

     唐突な問いに、煉獄は目を丸くした。ただ、その瞳は真剣で、煉獄は戸惑いながらも何から伝えようかと記憶の糸を紐解いた。
     
    「宇髄は、元々忍の家に生まれて、里抜けして鬼殺隊の道を選んだと言っていた。だからか、豪快な体躯とは裏腹に、剣技はとても美しくて、繊細で。フグの刺身が好きで、そうだ、彼には命よりも大事な奥方が三人いて——……」
     
     三人、という言葉に、今度は宇髄が目を丸くした。その反応に、煉獄がもう一度、そう、三人と指で表す。無理はない。昔の煉獄も、その話を聞いた時には多すぎやしないかなんて余計なことを思ったものだから。
     そうだ、彼には三人の妻がいた。多すぎるなんてことはなかった。彼に必要不可欠で、唯一無二の家族だった。そこには初めから煉獄の入る隙もなく、宇髄を一番に優先してやれない自分が、そうなりたいなだなんておこがましいと思っていた。どう足掻いても、お互いがお互いの一番にはなれない。命の瀬戸際で、手を伸ばして救いたいのはお互いじゃない。それでも彼のことが好きで、触れたくて、触れてほしくて堪らなかったあの感情を、ずっと煉獄は恋と呼んでいた。
     
     ふと、紬と須磨の笑い声が階下に響き渡る。煉獄が視線を上に向けると、何か騒いでる?と宇髄が聞いた。
     
    「いいや。楽しそうな声が聞こえてくるな、と思って」
     
     だが、今ここにはまた、煉獄杏寿郎と宇髄天元の人生が交わっている。今生の宇髄天元が、煉獄杏寿郎が、手にした唯一無二がそこにある。
     抱く愛も、そして目の前にいる彼に抱く愛情も、———迷い、戸惑う情けない恋心も、今の煉獄杏寿郎そのものだ。
     そんな簡単なことに気がつくまで、こんなに時間が経ってしまった。人間の感情の何と愚かなことか、と笑ってしまう。
     
     きみはこの世界にいないのかもしれない。
     そう思い始めたのはいつの日からだったか。
     
     ようやく、わかった。
     最初からこの世界には、きみはいない。
     彼の生きた証も、愛したものも、ここにはもう存在しない。
     
     宇髄の手の平に、そっと指を伸ばした。宇髄が煉獄のほうへと顔を向ける。ふっと柔らかく口角を緩ませて、その手を握った。
     
     今、確かに。
     『煉獄杏寿郎』の、恋が終わった。
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