「うーん……」
がさごそ寝返りをうちながら寝やすいポジションを探してみるけど、なかなかしっくりこない。部屋の壁にかけた時計をちらりと見れば、時刻は十二時半を過ぎていた。どうしよう、このままじゃまずい……。
「ん、どうしたの? ……明日早いんでしょ?」
寝室に入る前に飲んだカモミールティーをもう一杯飲みにいこうかと考えて上半身だけ起きた際に、となりの毛布から声がかかった。視線を向けると、顔にかかった長い髪を邪魔そうに後ろへ払ったグルーシャさん。
「ごめんなさい。起こしちゃいましたね」
「別にいいけど……眠れないの?」
「いや、あのえっと……」
眠たそうにいつもよりとろんとしたアイスブルーの瞳に申し訳なさを感じ、なんとかして大丈夫だと伝えようとしていたら、彼が自分の毛布に手をかけた。
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