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    zu_kax

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    なんも考えずに書いたけど欲しいのは朝のシーンだったことに気づいたから没(こんなに書いたのに今気づいたんかい)

    月の見えない夜だった。明日の講義は午後からだと遅くまでギターの練習をしていた礼音は、薄曇りの空を見て、ようやく日が変わっていることに気がついた。
    先日の練習で那由多から変更を言い渡されたアレンジはコードが難解で、ここ最近は毎日のように夜遅くまで練習をしている。同じ箇所は何度も何度も指でなぞって反復して、けれど礼音はそれが苦ではなかった。次の練習ではあのふんぞり返った王様に目に物を見せてやる。そう、心を燃やしながらギターに向き合う時間は割合気に入っている。
    時刻を見れば日付が変わって一時間と少し経ったところだった。さすがにそろそろ寝ようと、礼音はギターを置き、ぐっと伸びをする。寝る前に水分補給をしたくて、そのまま立ち上がりリビングへと向かった。
    ひたひたと裸足で歩く廊下は明かりも無く静謐に満ちている。たまにリビングに明かりが灯り、ソファで賢汰が仕事をしているときもあるが、今日はその姿も無かった。すでに眠りについているのだろう。
    冷蔵庫を開け、水出しの麦茶をグラスに注ぐ。半分ほど入れたそれを一気に飲み干すと、ふうと息を吐いた。
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    DOODLE朝活
    カーテンの中でイチャイチャする🌲🌸の小話
    カーテンの裏の逢瀬杉下京太郎は、よく眠る。教室に居るときはほぼ確実に机に突っ伏して眠っていると言えよう。寝る子は育つを地で行くこの男は、そのくらいよく眠る。
    それが最近、眠らずにぼうっと外を見ていることがある。開け放たれた窓の落下防止のポールに肘を掛けて、舞い上がる夜をそのままに波打つカーテンの中で静かにどこかを見ていることがある。
    杉下がそうして外を見ていると、桜がどこからともなくやってきて、その腕に収まるのだ。そこに会話も何も必要なく、そこに在るべきパズルのピースのように。あるいは地面に描いた円に猫が吸い込まれていくように。
    そうしてしばらく抱き合っていると、どちらからともなく視線を絡ませ合い、ただそこにある唇を確認するかのようにゆっくりと口を合わせ始める。触れる唇を相手の唇で押し付けて、カーテンの中の穏やかな時間が通常の倍以上の時間を掛けて流れていく。やわやわと唇を喰み、杉下の高い体温の指で人より少しだけ低い体温の桜の肌を辿ると、桜は小さくン、と声を上げる。それはとてつもなく色気を含み、その吐息だけで健全な男子高校生なら反応をしてしまうほどだった。杉下も例に漏れず、怠そうに肘を掛けていた腕を持ち上げ桜の頭にその大きな手のひらをそっと添えると、触れ合わせるだけだった桜の唇にゆっくりと舌を差し込む。桜もそれを拒まずに、受け止めながらゆったりと腰を杉下の脚に押し付けた。穏やかなカーテン裏の日向の逢瀬に、欲が混ざる。じゅる、と小さく水音を立てて段々と深くなる口付けは、息が上がってしまわぬ内にどちらからともなく離れていく。桜がほんのりと頬を染めながらほう、と息をつくと、杉下はその耳元でそっと囁く。
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