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    zu_kax

    @zu_kax

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    zu_kax

    MAIKINGやっと……家に行く……ぜいぜい
    けんなゆ♀ 4話はぜったいにえっちなことをさせる
    四、黄昏のコンチェルト ライブを終えたばかりの那由多は、いつもより少し息苦しそうだった。普段から白皙な彼女の肌はさらに白く、顔色が悪く見える。ステージの上でのパフォーマンスは、いつものように素晴らしいものだったが、楽屋に戻ってくると椅子に座り、くちびるを結んだままじっとしている。
     那由多をボーカルとして擁立してから、すでに数か月が経っていた。ライブは何度か出演していたが、こんなに体調の悪そうな那由多は初めてだった。
    「大丈夫か。顔色が悪い」
     冷えたミネラルウォーターを差し出すと、那由多はゆっくり伸ばした指でペットボトルを掴んだ。蓋を開けて、ひとくち流し込むと小さく息を漏らす。
     ステージ上では次のバンドがパフォーマンスを行っているところだった。那由多をボーカルに据えてからというもの、賢汰たちのバンドは前座よりもメインで出演してくれと願われることが多くなっていた。今日は複数のバンドが出演する対バンライブで、後ろから二番目の出演順を任された。大トリを務めるのは、この辺りでは有名なアマチュアバンドだ。全員が社会人で構成されたスリーピースのミクスチャーロックバンド。ボーカルの技術が高く、人気があるのも頷ける。礼音と結人は汗を拭くとすぐにまた客席のほうに行ってしまった。今日はこのバンドの演奏を聞くのも楽しみにしていたらしい。
    10117