本当にささいな事だ。いつもの俺ならあいつをなだめて笑っていただろう。
ただ今日は何故だか無性に腹が立ち言い争いの果てに俺は家を飛び出した。
今日はシモンでバイトをしていた時の常連さんと久しぶりの再会で「報告したい事があるからお茶しない?」と言われ時間もあったので了承した。
彼女は当時の彼氏へのプレゼント選びをずっと手伝い、担当していた人だ。大学卒業後に結婚を前提とした同棲を始めると言っていたのが最後だった。聞けばもうすぐ結婚式だと言う。素直に「おめでとうございます」といえば「ありがとう!当時は色々ありがとうね」と幸せいっぱいの笑顔でかえされた。
喫茶店を出て彼女と別れたあとに寄った本屋で久しぶりに恋人が載った雑誌を見る。
3134