「GENさん!俺は…、俺たちは戦いに来たわけじゃないんです…!」
必死に説得を試みる
俺も心のどこかではわかっている
こんなことは無意味だと
それでも、戦いたくないのは本音だし、GENさんを救いたい
「…でも私は、あなたを殺す気でいます」
GENさんからそんな言葉がでるのが信じられなかった
やはり、お世話になった人と対峙するのは多少の緊張を伴う
ひとりで勝てるとは思っていない
他のみんなが来るまで俺が食い止めなければならない
『ぁ…さ…アカ…タ…ん…聞こえる?』
「高垣?」
『はい!よかった…。今俺の能力で直接声をアカメタさんに届けてる。俺が指示を出すから、なんとか耐えて!』
「…うん、了解」
ひとりでも仲間が増えると、こんなに頼もしいものなんだ
「…そっちは複数ですか」
「…はい。ひとりでGENさんに勝てるとは思ってませんので」
GENさんのこぶしにはめられているメリケンサック
あんなので攻撃されたらひとたまりもない
『いつ攻撃が来るかわかりません。警戒してください』
GENさんも、俺も攻撃のタイミングをうかがっている
俺の攻撃方法は剣。扱いにあまり慣れていない分不利だ
しかも殺してはいけない
殺してしまっては本末転倒
やりすぎてはいけない
慎重に…
『アカメタさん!危ない!!』
「…ッ!!」
油断した…!!まずい、これ、くらっ…
『アカメタさん!!』
ドコッ、と人が殴られる音が響いた
俺の顔には激痛
そこで俺の中の何かがはじけた
「…はは、そっかあ…GENさん…」
自身の血を拭う
「いいよ、殺りあおう」
GENさんに剣を向ける
俺は、もう