永遠を生きるラーマと転生を繰り返すビームの話銃声が鳴り響く。
身体に衝撃が走り、ラーマは地面に倒れた。どくどくと血液が流れ、自分の周りに血溜まりを作っていく。
ー私はもうだめかもしれない。
血液が流れ出る速度が速い。撃たれた部位はきっと急所なんだろう。ラーマが自分の最期を感じていた時、ビームの叫ぶ声が聞こえた。
「兄貴!」
駆け寄って来たビームが身体を抱き起こすのがわかり目を開けると、涙の粒を溢れさせた顔が視界いっぱいに広がった。口を動かして安心させたいが上手くできない。
「死ぬな!俺を置いて行くな!」
ー大地女神よ、兄貴を連れて行かないでくれ!
ビームの叫び声が遠くで聞こえる。残された力で目を開けると満点の星空の中流れる星が見えた。
次にラーマが目を覚ましたのは、前回の闘争から二か月ほど経った時だった。目を開けると相変わらずビームの心配した顔で視界がいっぱいになり、吹き出す。笑われたことに怒りもせず、良かったと抱きしめてくれるビームの身体は温かく、自分も生きてて良かったと思えた。
2020