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    55kalai

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    55kalai

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    いいかい!甘々とは程遠い冒頭の殴り書きだぜ!!普通に蹴ったりしてちょっと痛いかも!!途中でいつくっつくかわかんなくなって投げ出したってワケ!!!!!優しい皆さんなら大丈夫だと信じるね!!!!

    人間洋×人狼三水戸はバイクを走らせていた。道路照明灯が点々と並んだ海岸と山の間を分けるように引かれた道路には水戸以外が通る気配はない。今日はイレギュラーな形で残業する羽目になってしまいとっくに人が出歩くような時間ではなかった。明日は休みだし早く帰ろうと思うと自然にバイクのスピードが上がっていく。エンジン音と風がジャケットの撫でる音が重なる。チャックは全て閉めているしズボンは体に沿ったのもだがどこからか風が入って寒かった。
    (あー早く帰って寝たい)
     意識が夕飯を食べるか食べないかで揺れている時、ハイビームで照らされた数十メートル先を何かが横切ろうと飛び出してきた。それは山側の木々の中から道路に降りてきたであろう動物だった。
    「!?」
     危ないと頭が思うと同時に急にかけたブレーキにバイクが悲鳴を上げる。影がこちらの音に気づいてこちらを見た。ライトにしっかりと照らされたそれは野犬だった。焦茶の短毛に三角の耳、尻尾は垂れ下がって長い。しかし犬に明るくない水戸は犬種まではわからない。犬を轢くなんて冗談じゃない、とさらに強くブレーキをかけると犬は地面を蹴って道路を横切って行った。ブレーキをかけたバイクはそれから幾らか進んだ所で止まる。道路には黒くブレーキ痕が残っていた。
    「っ!はぁ、あっぶねーだろ!」
    思わず犬が進んで行ったであろう方向を振り返り悪態をつく。一言言ってやらないと気が済まない。照明灯が薄っすらと照らす暗闇を睨むとすでに居ないと思い込んでいた先程の犬と目があった。道路の向こう側に逃げ込んだそれはガードレールの下から少し頭を出してジッとこちらを睨んでいた。こんなことがあったのに犬は闇に溶け込むだけで完全に消えはしなかった。目がキラリと光った気がする。
    (......なんだあいつ、人慣れしてんのか?)
    犬は水戸と数秒間目を合わすとくるりと海の方向へ体を向けてヒョコヒョコと変な動きで歩みを進めていった。人が足を庇っている時に似た歩き方だった。
    ここで水戸はようやく詰まっていた息を吐き出すことができた。すると背中がひんやりと冷たくなる。とりあえず嫌な気分で家に着くことは無さそうだ。こんな時間に人間と凹んだバイク、そして犬の死骸なんて考えただけでも恐ろしい。息を吐くと次第に脳みそが冷静さを取り戻し、ぼんやりしていた自分も悪かったと反省の気持ちが出てきた。バイクから降りてキーを抜きサイドスタンドを下げヘルメットを外した。なんだか今から運転するのは難しい気がしたのだ。どうせ明日は休みだし一服してからまた運転を再開しようと胸ポケットに入れているタバコの箱から一本タバコを取り出すとライターで火をつけた。照明灯に照らされながらゆっくりと息を吸って肺に煙を入れる。
    (そう言えばさっきの犬、海に行くのか?)
    吐き出された息は煙が混じって白い。水を好む犬はいないと昔の友人が断言したのを思い出した。風呂に入れようとするとすごい勢いで噛むんだぜ、と酷い噛み跡と引っ掻き傷を見せられたので印象的だった。
     海岸に目をやるとそう遠くないところで先ほどの犬がまたしても変な歩き方で海へと向かって行くのが見えた。嫌な予感がする。身投げをするなら海かビルなんて思考は人間の定石だと思っていたが犬も同じなのかもしれない。タバコは半分も吸われていないのに地面に落ちて火を消された。
    水戸が急いでガードレールを跨ぎゴツゴツとした岩を危なげない足取りで進み、いつもより水位の上がった砂浜へと飛び降りた。犬との距離はそれほど遠くはない。犬は先程よりもさらに大きく感じた。二本足で立ったら水戸の身長と同じぐらいあるのではないだろうか。
    「お、おい!犬!!」
    咄嗟に叫ぶと犬がこちらを振り返った。まるで言葉が通じたようだった。
    「、知らないかもだけど海って冷たくて危ないぜ!」
    じっとりとこちらを見つめる犬に必死になって話しかける。犬が海で入水自殺する現場に居合わせるなんて、そしてそれを必死に引き留めようとしている俺。夢でも見てるのかもしれない。
    「犬は水嫌いなんだろ。死ぬならもっと山とかの方がいいんじゃない?」
    海より山の方が犬らしいような気がして変な提案をする。月明かりに照らされているはずの海は想像よりも黒くて恐ろしく感じ、山の方が少なくとも海よりは寂しくないだろうと思った。
    「大体さ、犬と海って、」
    言葉を続けようとすると、突然犬がこちら側に駆け出した。足を庇いながらも力強く砂浜を蹴って近づいた犬は前脚で水戸に飛びかかった。伸び上がった犬の全長は予想していたよりも大きく水戸の体は押し倒されて勢いよく砂浜に尻餅をつく。体を起こそうと思ったが犬が肩の辺りを前脚で力強く押したために起こすことができなかった。牙を剥き出しにしながら唸りマズルには皺がよって今にも噛まれそうだ。腕に酷い噛み傷を作った友人の呑気な顔が思い浮かんだ。薄明かりに浮かび上がるそれはまさしく獣だ。このまま噛まれたら死ぬのだろうか。
    「......犬」
    ぽつりと呟くと犬が一層歯を剥き出して人の言葉を叫んだ。
    「犬じゃねーよ!!!!」
    「!?喋った?」
    犬じゃないと言ったそれは、あっ!と大きな声をあげ、続けてくそっと呟いた。
    入水自殺しようとしていた犬に声をかけて、そんで襲われて、犬じゃないって怒鳴られて、そのどれもが理解し難い。先に沈黙を破ったのは獣の方だった。
    「......脅かすだけのつもりだったんだけど、つい口が出ちまった」
    呆然とする水戸に獣がそう告げる。
    「え?」
    そいつの口がスローモーションの見たいにゆっくり開く。鋭い牙は白く舌は赤い。
    (死ぬ)
    直感的に感じた。ガキの頃は喧嘩三昧だったがこんな気持ちになったのは今日が初めてだった。だからか脳みそよりも体の方が早く動いた。水戸は両手で目の前に開かれた口を勢いよく閉じるようにして挟んだ。
    「!?」
    そいつはキュゥ、と悲鳴をあげて体勢を低くする。振り払おうとして馬乗りになっていた水戸から降り体を横へずらして後ろに引かれたがそれを水戸は逃さない。
    「っ!!!」
    砂が舞って体が変な方向へ曲がっているけどこいつを離したら自分がやられると直感的にわかっていた。獣はキュゥキュゥと悲鳴をあげている。水戸が体勢を整えてそいつの体を蹴り上げるとキャンと鳴き声が上がって獣の体が砂浜に飛んだ。横たわった体に咄嗟に跨って喉元に手を当てると頭を振ってこちらに噛みついてこようとしてくる。ガチンと牙が当たる音が響き必死になってもがくと爪や牙が腕に当たり傷がつく。やっとの思いで地面に押さえつけるようにして口を反対の手で抑えることができた。初めはバタバタと体を動かしていたが暫くして動かなくなった。誰しも命に危険が及べば冷静ではいられなくなる。
    「あ」
    不幸中の幸い。ふと力強く押さえつけたそれが動かなくなったのに気がついて勢いよく離れた。砂浜にまた脚を取られて勢いよく尻餅をついた。暫くして横たわったそれが、ガハッ!と息をしたので思わず安堵する。
     獣に襲われた、そしてその獣を殺しかけた。引っ掻き傷のついた腕を摩りながら呼吸を整えていると獣はふぅふぅと荒い息をしながらゆっくりと顔をあげてこちらをみた。なんだか悲しそうな目をしていた。
    「わ、悪い、やりすぎた」
    水戸が謝るのもおかしな話だが咄嗟にそう告げるとそれは息を整えたながらゆっくりとまた横たわり、負けたのかよと人の言葉をつぶやいた。水戸の経験則だが負けを素直に認めるやつには二つのパターンがあって、本当に認めてもう戦う気がない奴と不意打ちを狙ってくる奴だ。こいつは前者だろうと感じ座り直して気になったことを尋ねる。
    「......犬じゃねーなら、なんなの?」
    水戸が気になっていたのは犬じゃないと叫んだそいつの正体だった。
    「狼」
    狼。あの狼なのか。今現在日本には狼は居ないのではないのか。狼と呟いたそいつは言葉を続ける。
    「......大体、お前が犬犬言うから悪いんだろ......挙句喧嘩には負けるし......くっそ」
    狼が逆ギレしてる。いやいや、叫んだのはそっちだし殺そうとしたのもそっちだ。
    「は?なにキレてんの?」
    思わず喧嘩腰になると狼はグッと小さく声をあげて立ちあがろうとするもうまく起き上がれていない。よく見ると左後ろの脚が赤黒く汚れていて狼はそれを庇うようにしている。血が出るような怪我をしたのだろうか。飛びついてきたときもおかしな動きをしていたと思い出した。
    「脚悪いんだ、左の後ろ」
    そう指摘するとやっと立ち上がった狼がこちらを睨んで、ちっと長い舌で器用に舌打ちした。
    「だからなんだよ」
    文句あるか?と唸る姿にいや、と答えた。暫く睨まれていたが水位が上がった波が狼の脚に当たるとびくりと体を動かしそれから距離を取る。その姿が余りにも動物だったのでさっきまで殺し合った奴とは思えなくて思わず笑ってしまった。
    「あはは、なに?海で死のうとしてたじゃねーの?やっぱり動物って水が怖いんだな」
    そう笑うとキッと睨まれたがなんだかもう怖くはなかった。
    「うるせぇ......別に死のうとしてたんじゃねぇよ、海ってやつが見たかっただけだ」
    目線を海に向けて狼が呟く。その目には黒い海が反射していてどこを見つめているのかわからなかった。暫く一人と一匹で海を眺める。波が寄っては離れてを繰り返す。水が砂を引きずる音はどこか心地よい。
    「今日は見逃してやる。でももし他のやつらに話す狼がいることを少しでも言うなら次こそ、喉を噛み切ってやるからな」
    狼が静かに告げた。こちらを見ようとしないのはもう水戸と関わるつもりがないことの表れだろうか。しかし水戸はこの獣から離れるつもりはなかった。そこにはっきりとした理由はない。
    「なあ、狼さん。簡単に人間を信用しちゃいけないんだよ」
    にっこりと微笑んで話す水戸を狼が睨む。
    「......そんなことはわかってる」
    「でもさ俺がお前のこと話さない証拠もなければ義理もないよね」
    この発言を狼がどう捉えるかわからない。キレて今度こそ本当に死ぬかもしれない。
    「だからさ、信用できるまで俺を見張ってたら?」
    「は?」
    「暫くうちにこいよ、どーせ行くところないんでしょ。それに、人間に負けたなんてダサいよな〜そうだ、脚治ったらリベンジマッチしてやるよ」

    とこのままね、水戸家に上がり込んだ人狼三井は(ちゃんと人形にもなれる)人間としての暮らしに慣れていくんですけど、途中で人狼仲間のリョータが迎えに来るんですよ。もう大丈夫だから帰っておいでよって流川も来たら嬉しいね。で、最終的に海でもっかいリベンジマッチするかってなって、飛びかかった三井(狼だったけど人間の姿になって)が水戸の鼻に自分の鼻を当てて求愛行動をするんだけど、水戸は人間はこーすんのって言ってベロチューかましてハッピーエンドってこと✌️
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