かけがえのない「ごめん…」
そう言うと、きっと勇気を振り絞って告白してくれたであろう女生徒は小走りで去っていった。
好きです、なんて告白いつ以来だろう?
あの時以来だ。
何度も何度もタイムリープを重ねて行き着いた未来は思い描いたものと少し違った。
それでも助けたかった人達はみんな生きてる。
彼女も、そして彼らも。
それから『彼』も。
一緒に歩んだ軌跡の中で少しずつ変化していった心。
最初はそれに気付かないふりをしていたけれど、優しい彼女の言葉でようやくその気持ちを認めることになった。
マイキー君が好きだ。言葉にすることのない気持ちだと思っていたら、まさかの同じ想いをぶつけられた。
そうして今に至る。
女生徒に告白されてから数分、武道はその場でぼんやりと空を眺めていた。
929