嫉妬「キャー!マイキー先輩!かっこいい〜!!」
女の子達は口々にこう叫んでいた。
そう、マイキーくんは本当にモテる。
そりゃあ?このルックスに?超強いし?まあかっこいいし?まじかっこいいし?(大事なことなので2回言う)極めつけにまさかの生徒会長だし?
…いや、なんで生徒会長になってんですかー!?
元暴走族の総長が何故!?
まあトップてことには変わりないのか…?
共に運命を変えるためにここまで頑張ってきた。
これまでとは違う未来に辿り着いて、良い方向へと向かっている。
同じ高校に通うことになって嬉しかったけれどマイキーくんが高校に通うってだけでも驚いたのに、まさかの生徒会長になるなんて…本人にも聞いたけど俺もよくわかんねぇけど気付いたらなっていた、らしい。
にしたって…
「まじかっこいい〜!」
「マイキー先輩彼女いるのかな〜?」
「アドレスとか交換できないかな?」
「キスとかちょーうまそう〜!」
「えー!やばーい!!」
………彼氏ならここに居ますし、キスは確かにかなり上手いですよ。
あと…かっこいいけどめちゃくちゃ可愛いってことはオレしか知らないんだよなあ…。
少しだけ優越感に浸る。
マイキーくんの蕩けた顔はオレしか知らないし、この先もオレしか見ることのできないもの。
ふふ…
「何にやけてんの?」
「キャー!?」
「…タケミっちうるせぇ」
「すいません…いや…マイキーくんて本当モテるなーって。」
近くで先程の女子達がコソコソとキャーキャー言っているのが聞こえてくる。
まるでオレなんて見えていないかのように。
なんか…それはいいけど…
マイキー君はオレのなんだけど…なんて…でも…これは…かなりの…
「タケミっち顔怖ぇよ。嫉妬してんの?」
「ウッ…………そんな怖い顔してます…?オレ…」
「俺がどっかいくとでも思ってんの?」
「………」
「黙んなよ。行かねぇよ。タケミっちしか俺の全部知らねぇじゃん。」
正直泣きそうになった。
こんなにも大切な人になってしまった君をオレはずっと守っていきたい。どんなふうになろうとも。
だからちょっとしたことでも敏感に反応してしまう。
「泣いてんの?」
「ないでまぜんっ!」
「いや、泣いてんじゃん?…っはは!タケミっちおもしれぇ…!」
本当に笑ってる君は誰よりも輝いてるから、だからみんな惹かれてしまう。
ほら、今だって女の子たちの目線は君に集中している。
ああ、隣にはオレしかムリなんです、とどうやったら伝わるだろうか?