同居人が出て行った部屋は思っていたより広くて、次の日エレドラを片付けたらもうまるで違う部屋のように感じた。
2日目までは広くていいやと思っていたが3日目から部屋が散らかり始めた。
4日目からコンビニ弁当しか食べてない事に焦りを感じた。トイレ掃除してない事にも気づいた。
5日目、今まで聞こえた事のなかった時計の音や空気清浄機の音が耳につくようになった。
今まで大が家事を担当していたから気にした事がなかったが、ハウスキープは思っていたよりやる事がたくさんある。今日こそはトイレ掃除をしなくてはならない。
トイレの床に膝をつき、不快な気持ちを抱えながらそっと便座を持ち上げてみる。汚れている。
毛先が外側に向いた使い古したブラシを手に取り便器の内側を擦った。黒ずんだ汚れは便器の水と混ざりふわふわと浮遊する。
汚い水だ。あまり見たくない。
「大、帰ってこねぇかな」
汚れた水は言葉と共にトイレに流した。