Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    rindopenguin

    @rindopenguin

    おためしぽいぽい

    ☆quiet follow
    POIPOI 33

    rindopenguin

    ☆quiet follow

    「白白明」余談。クラス4は本当に、本当にもう!!!

    #BBM3

    兄の心、弟知らず「イーグルとジェシカは仲がいいよな。見ているだけで楽しい」
     ホークアイがふと漏らした言葉に、ジェシカが食いつく。
    「あら、ホークアイだって私たちの『きょうだい』よ。そうだ、『おにいちゃん』って兄さんに言ってみて。きっと大喜びよ。そろそろ戻ってくる頃だろうし。って、言ってるそばから」
     ジェシカの言う通り、イーグルが部屋に戻ってきた。
     ジェシカに背中を押され、イーグルの前まで押しやられる。
    「ねえ、兄さん。ホークアイが言いたいことがあるんだって」
     ホークアイが何も言わず突っ立っているので、イーグルも何があるのかとひたすら待つ。
     あっちに視線、こっちに視線を巡らし、むぐぐと、言い淀んだ末、絞り出した一言。
    「お……おにいちゃん」
     イーグルの顔が一瞬にして輝き出す。
    「や、や、やっと……! ホークアイがおにいちゃんって言ってくれた!」
     がばっと抱きつこうとしてくるので、ホークアイは避けた。
    「避けるな! おにいちゃん記念日だぞ」
     暑苦しいイーグルに困り果てて、後ろにいるジェシカを見る。
     彼女は輝かしい笑顔で親指を立てている。
     いやいやいや、眺めていないで助けてくれと口パクで叫んでも、ジェシカは見守るだけだ。彼女はそもそもイーグルの手助けをしたい側なので、暖かなまなざしだけを向けてくる。
    「いいじゃないか、減るもんじゃないし。オレはとってもうれしいぞ」
     またもやくっついてきそうなので、避ける。
    「やっぱり、柄じゃない!」
     ホークアイは叫ぶ。
     二人とはきょうだいのように育ってきたとはいえ、今更「兄さん」などと呼べるか。ましてや「おにいちゃん」なんてものは問題外だ。頭領の実の子たちと拾われ子とでは根底に流れるものが違う。
    「オレはいつでも『おにいちゃん』って呼んでもらってもいいぞ」
     イーグルは真面目な顔で言う。さらには大きく手を広げて待ち構えている。
    「遠目に見守ってくれるだけでいいよ……」
     ホークアイは後退りしてこの場から逃げようとするも、ジェシカが素早く出入り口を塞ぐ。
    「ホークアイ、逃さないわ。私たち、きょうだいよ。ね、兄さん」
     勝ちを確信しているジェシカは力強くイーグルに同意を求める。
    「そうだぞ。ジェシカ、ホークアイ!」
    「二度は言わない!」
     イーグルとジェシカに包囲されてはホークアイに勝ち目はない。じりじりと狭まる包囲網。
     もう一度「おにいちゃん」と言うまで部屋から出してもらえなかった。


    「あのとき、見守ってくれとは言ったけどさ……」
     ホークアイの手には小さなオーブ。火炎の谷の奥深くに隠された宝物たち。
     ジェシカのこと、ナバールのことそれぞれ心配して、最後にホークアイのこと。ここにある宝物以上に輝いていた日々をオーブに込められた思いが語る。本当にきょうだいとして受け入れてくれていたことを感じる。
    「にいさんって……。バカヤロ」
     小さく呟いて、やっぱり性に合わないとオーブを放り投げる。
     オーブは緩やかな曲線を描き、手元に戻る。
    「背中は任せた」
     ホークアイは先を進む仲間の元へと駆け寄る。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💞💖💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works