Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    meron0305

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 6

    meron0305

    ☆quiet follow

    過去の

    ナカヤマフェスタのトレーナーがナカヤマフェスタとゴールドシップと共に海を見に行く話

    船と見る黄金ナカヤマフェスタとゴールドシップが「海を見に行く」と言うのでついて行った先で、私は長い長い旅の終着点を見届けた。
    残り200m、圧倒的な差をつけている先頭のウマ娘を、絶望的な位置から追い上げる小柄なウマ娘。思わず呼吸さえ忘れて、拳を固く握りしめた。実況はもはやただの応援と化していたけれど、文句を言う人なんて誰もいないだろう。
    『差し切ったァーーーッ!!』
    実況の音声が店内に響く。国内では届かなかった金メダルに、ついに手が届いた彼女。物語のようなあまりにも綺麗なラストランだった。
    「……賭けは全員の勝ち、か。ったく、これじゃあ勝負にならな___」
    ナカヤマフェスタの声がぴたりと止まる。どうしたのかと彼女の方を見ると、珍しく動揺したような顔でゴールドシップを見つめていた。
    「ゴルシ、お前……」
    彼女の視線を追うと、ゴールドシップは瞳から大粒の涙を流していた。流石に何と声を掛けたらいいのかわからずに、ただその姿を見つめることしか出来ない。
    「……え、あー……ははっ、なんかコショウが目に入っちまって……ぶえっ」
    ナカヤマフェスタは卓上に置かれたティッシュをゴールドシップの顔面に押し付ける。不器用な彼女なりの気遣いなのだろう。店内には他にもこのレース目当てに訪れていたお客さんが居たようで、皆涙を流したり抱き合ったりしていた。それだけあのウマ娘は色んな人に愛されていたのだろう。
    「トレーナーさんも1杯どうだい?」
    「いえ、私は……」
    カウンターにいる店員さんからアルコールを勧められた。ナカヤマフェスタにも帰りはバスなんだしと言われるが、流石に生徒二人を預かっている身で酒の匂いを漂わせて帰るのはマズい。たづなさんからどんな大目玉を食らうだろうか。 そういうわけで、生ビールの代わりにジュースを注文する。折角だからとウマ娘二人の分も頼んで、それぞれグラスに飲み物を注いだ。
    「それでは~……あの子のラストラン、そしてG1勝利記念に~?」
    店員さんの乾杯の音頭に合わせて、私達はからんとグラスをぶつけ合った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works