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    meron0305

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    meron0305

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    お互い稀に見せる強者の表情が好きなジャスゴル

    その顔が好き/ジャスゴル「ーーー!!プボーッッ!!!」
    隣で崩れ落ちる友人に苦笑しつつも、勝利したウマ娘に拍手を送る。
    阪神レース場芝3000メートル、阪神大賞典。今年の注目ウマ娘はなんと言っても一昨年、そして去年とこのレースを二連覇しているウマ娘だ。このレースで勝てば親友__ゴールドシップ以来の阪神大賞典三連覇となる。
    当たり前だけれど、重賞レースの連覇はそう簡単なことではない。そもそも長く走り続けられるウマ娘はそう多くないし、後輩世代だって強豪揃い。そう易々と先輩に席を譲ってはくれないのだ。重賞三連覇を成し遂げるには、丈夫な身体とパフォーマンスを維持する並大抵では無い努力が必要になる。
    ……レースの結果、注目のウマ娘は三連覇ならずと残念なものだった。今年も「阪神大賞典三連覇の会」はシップひとりの孤独な会となってしまったらしい。彼女はたいそう不満そうだ。
    「今年こそアタシの記録に並ぶヤツが出ると思ったんだけど」
    そうスタンドの手すりに頬杖をついたシップの横顔は、間違いなく名バのそれだった。自分と同じ頂まで登ってくる者を待っているような、本能むき出しの獣のような瞳。
    その瞳を覗き込んだ瞬間、心臓を鷲掴みにされたような感覚に全身の毛が逆立つ。けれど次にシップがこちらを向いた時には、彼女の瞳から恐ろしい輝きは無くなっていた。
    (……そんな顔、するんだ)
    僕の脚じゃ3000メートルなんて走りきる前に折れてしまう。だからきっと、僕は生涯シップにあの瞳を向けられることはないのだろう。
    でも、もしかしたら……いつか彼女のあの視線を受け止める後輩が現れるのだろうか?その時は、どうしようもないとはいえ……ちょっとだけ、嫉妬してしまうかもしれない。







    「ロードノースが三連覇……!いやあ、流石トゥインクルレースの本番イギリス出身だね」
    なんでもないように笑っているアタシの親友___ジャスタウェイは、ついでにもう1つとんでもない事が達成されていることに気づいているのかいないのか。いつもアタシの悪ふざけに付き合ったり付き合わなかったりしてくれるコイツは、かつてドバイワールドカップ……そのうちのG1ドバイターフ(当時の名前はドバイデューティーフリー)でレコードの1:45:52を叩き出して世界一のウマ娘として君臨した。
    それからレコード記録はずっとジャスが所持している。去年ようやく日本の逃げウマ娘が45秒台を出したくらいだ。そうして、今年もコイツの持つレコードは破られていない。
    「今年もレコード防衛成功だな?」
    「え?ああ……そうだね。キリのいい数字の来年まで守れるかな?」
    が、こんなんだからジャスが世界一のウマ娘のイメージと結びつかない後輩も多い。
    「ドバイシーマクラシックを逃げたアイツ、凄かったな!去年は45秒台も出てたし、ジャスのレコードもそろそろ更新される頃合じゃねーの?」
    からかうようにジャスに言葉をふっかけると、ふふっと笑ってジャスは呟いた。
    「___大歓迎だよ。レコードなんて更新されるために存在してるんだから」
    「…………っ」
    越えられるものなら超えてみろ、と。ジャスはそう言外ににおわせていた。身体中に鈍い電流がゆっくりと広がっていくような、なんとも言えない興奮がアタシを襲う。
    (___たまんねー、そのカオ)
    ひとりのウマ娘として強者を待ち続けるその瞳に、たぶんアタシは惚れ込んじまってる。けれどジャスのこの表情はドバイワールドカップが開催される今の時期くらいしか見ることが出来ない。
    「あーあ、毎月ドバイワールドカップ開催されねーかな~」
    「オイルマネーでもそれは限度があるよ……」
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