端 居なんだかとても気落ちしてしまって、すべてが敵のように思えてならない。
いくら考えてもころりと変化していく心には自分自身が付いていけない。
さっきまでもう駄目なのだと、生きていく価値がいっそ無いのだと、こんなところにまで来て私は何がしたかったのか、あらゆる単純な矛盾を抱えて生きているのかと思うと、生きることに諦めに似た脱力感が首筋から肩に沿って、ぬるりと滑り落ちていく。
春の軒先にいて、夕は遅く、世間は陽気で、私はなにも変わらない。
劇的にポジティブさを手に入れた訳でもなく、生と死の壮大で、考えることも馬鹿らしい人生の悩みが全てかき消えたわけでもない。依然、変わらない形と、その重さが、ささやかに普通に生きたいという切望の妨げになっている。
なんだか周りの人より健康的ではない。物事の視野はいつも望遠鏡をひっくり返している。時間と経験をを積み重ねれば重ねる程に果てしない。そしてどうやら、胸の内にある黒い塊の輪郭を言葉でなぞり、孤独を伝える作業を繰り返して、これは一体なんだと叫んでいる。そう言葉に言葉をひたすら重ねている。
今日もいつもの道すがら、ずっと、帰る場所を探している。